市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/11/29 15:45RBNZが住宅ローン規制を緩和。市場の関心はRBNZ次期総裁人事や中銀改革!?

[レビュー]

29日東京時間の外国為替市場は、方向感に欠ける展開。米ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(28日)のNY終値水準を挟んだ“もみ合い”となりました。日経平均が上昇するなか、一時、米ドル/円は111.63円、豪ドル/円は84.86円、NZドル/円は77.02円へと上昇。その後、北朝鮮が重大発表を行うと伝わると、円が反発。米ドル/円や豪ドル/円、NZドル/円はNY終値近辺へと反落しました。


[これからの展開]

RBNZ(NZ準備銀行)は本日(29日)午前5時、半期に一度の金融安定報告書を発表。LVR(資産価値に占める住宅ローンの比率)規制を2018年1月から若干緩和すると表明しました。

RBNZは2013年10月、オークランドなどの住宅価格の高騰を抑えるためにLVR規制を導入。規制は2015年11月と2016年10月に強化されました。

NZ政府の不動産鑑定機関のQV(クオータブル・バリュー)によると、同国最大都市であるオークランドの2017年10月の住宅価格上昇率は前年比+1.2%と、1月の同+12.1%から鈍化しました。

RBNZは金融安定報告書で、「2016年10月のLVR規制の強化や2017年初めの住宅ローン金利の上昇により、住宅市場の価格上昇圧力が過去6か月間で一段と弱まった」と分析。政府が打ち出した外国人の中古住宅の購入禁止などの政策も、住宅市場の鎮静化に寄与するだろうとの見方を示しました。

国内銀行に対する規制が2018年1月から以下のように緩和されます。
<購入した物件に自ら住む借り手に対する新規ローン>
・LVRが80%を上回る融資契約を全体で15%(現在は10%)とする
<住宅用不動産を購入する投資家に対する新規ローン>
・LVRが65%(現在は60%)を上回る融資契約を全体の5%に制限する

RBNZのスペンサー総裁代行は会見で、住宅価格が引き続き安定化することを確認する必要があるとし、LVR規制を廃止するメドは立っていないと強調。また、今回の措置が金融政策に与える影響はほとんどないと語りました。

RBNZのLVR規制の緩和発表を受けてNZドルが上昇したものの、その反応は長続きしませんでした。LVR規制の緩和は住宅価格の下支え要因となりうる一方、今回の規制緩和は住宅価格が再び上昇基調を強めるほどの効果はなく、また2019年4-6月期の利上げを示唆するRBNZの金融政策に変化はないと、市場でみなされたのかもしれません。市場の関心は、RBNZ次期総裁人事やRBNZ改革のゆくえに向きがちです。この状況は今後も続く可能性があります。

(シニアアナリスト 八代和也)

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