市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/11/20 15:55トルコ大統領が利下げ圧力。中銀のトルコリラ防衛策は不十分か!?

[レビュー]

20日東京時間の外国為替市場では、ユーロが軟調に推移。一時、ユーロ/円は131.18円、ユーロ/米ドルは1.1722米ドルへと下落しました。ドイツの連立協議が決裂したと伝わり、ユーロに下押し圧力が加わりました。*連立協議決裂については、本日(20日)のToday's Flash『ドイツの連立協議決裂でユーロが下落。再選挙の可能性も』をご覧ください。


[これからの展開]

トルコリラは先週金曜日(17日)、対円で過去最安値を記録。対米ドルも1月につけた過去最安値に迫りました。トルコのエルドアン大統領の発言を受けてTCMB(トルコ中央銀行)の独立性をめぐる懸念が再燃し、トルコリラに下押し圧力が加わりました。

エルドアン大統領は17日、TCMBはインフレを加速させる間違った軌道にあると批判。「彼らは、中銀は独立しており、政府は干渉してはならないと言う。干渉しなかったので、この結果だ」と語りました。トルコの10月のCPI(消費者物価指数)上昇率は前年比+11.90%と、9月の+11.20%から加速し、2008年7月以来の強い伸びを記録しました。

エルドアン大統領はまた、「高い金利で融資しようとすれば、当然ながら投資は阻害されてストップする。われわれは(かつて)利下げをしてインフレ率を一桁に引き下げた」と指摘。TCMBに対し、利下げするように改めて求めました。

TCMBは翌18日、外貨売却入札を開始すると発表。年末までに最大総額30億米ドルの外貨を売却する計画です(2018年については後日発表)。11月6日の措置(金融機関が中銀に預ける準備預金の外貨比率を引き下げ)に続く、事実上のトルコリラ防衛策と言えそうです。

TCMBの外貨売却入札の発表を受けて、トルコリラは本日(20日)東京時間早朝に対円や対米ドルで小幅反発しました。

ただ、トルコと米国の二国間関係への懸念が残存し、TCMBの独立性をめぐる懸念が再燃するなかでは、トルコリラには引き続き下押し圧力が加わりやすい地合いと言えそうです。

11月6日のトルコリラ防衛策発表後、トルコリラは反発したものの、反発は長続きしませんでした。今回も同様の可能性があります。トルコリラが持続的に上昇するには、TCMBの利上げが必要かもしれません。TCMBの次回定例会合は12月14日の予定です。

(シニアアナリスト 八代和也)

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