市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/11/16 14:23雇用統計を受けて豪ドルが反発も、その反応は長続きしない可能性も!?

[レビュー]

16日東京時間の外国為替市場では、NZドルが軟調に推移。一時、NZドル/円は77.36円、NZドル/米ドルは0.6850米ドルへと下落しました。ANZと調査会社ロイ・モーガンが発表したNZの11月消費者信頼感指数が123.7と、10月の126.3から低下し、NZドルの重しとなりました。消費者信頼感指数は、“100”が楽観と悲観の分岐点とされています。

豪ドルは底堅い展開。一時、豪ドル/米ドルは0.7605米ドル、豪ドル/円は85.89円へと上昇しました。豪州の10月雇用統計が支援材料となりました。


[これからの展開]

豪州の10月雇用統計は、雇用者数が前月比0.37万人増、失業率が5.4%でした。雇用者数の増加は13か月連続で、1993年6月から94年7月(14か月連続)以来の長さを記録。失業率は2013年2月以来の低水準となりました。

失業率は市場予想(5.5%)よりも良好でした。一方、雇用者数は市場予想の1.75万人増を下回ったものの、以下の理由からそれほど悪くないと考えられます。

雇用者数は前回9月分が上方修正されました(1.98万人増→2.66万人増)。また、今回の雇用者数の内訳をみると、フルタイム雇用者が2.43万人増、パートタイム雇用者数が2.07万人減でした。両者の傾向を把握するために6か月平均をみると、2016年終盤以降、パートタイム雇用者がほぼ横ばいである一方、フルタイム雇用者が増加傾向にあります。雇用の中心がパートタイムからフルタイムへと引き続きシフトしていると考えられます。

今回の雇用統計は、労働市場の改善が続いていることを改めて示したと言えそうです。このことは、豪ドルにとってプラス材料と考えられます。


(出所:トムソン・ロイターより作成)


(出所:トムソン・ロイターより作成)

ただ、足もとの豪ドル/円や豪ドル/米ドルの下落は、RBA(豪準備銀行)が政策金利を長期間据え置くとの観測が背景にあります。

RBA(豪準備銀行)は現時点で雇用情勢よりも、高水準の家計債務や賃金の伸びの鈍さを懸念しています。豪州の7-9月期の賃金コスト指数(昨日15日発表)は前年比+2.0%と、4-6月の+1.9%からわずかな加速にとどまり、賃金の伸びが依然として鈍いことが改めて示されました。こうした状況では、今回の雇用統計の結果のみでRBAの姿勢(=政策金利を据え置く)が変化する可能性は低いとみられます。そう考えると、雇用統計の結果を受けた豪ドル/円や豪ドル/米ドルの反発は、長続きしない可能性もあります。

(シニアアナリスト 八代和也)

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