市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/11/09 15:00RBNZが利上げ時期の予想を1四半期前倒し。NZドルの支援材料か

[レビュー]

9日東京時間の外国為替市場は、日経平均の乱高下に反応しました。

午前は、日経平均の上昇を背景に、円が弱含み。一時、米ドル/円は114.03円、ユーロ/円は132.21円、豪ドル/円は87.61円、NZドル/円は79.39円へと上昇しました。

午後に入り、日経平均が上げ幅を縮小すると、円は反発。一時、米ドル/円は113.45円、ユーロ/円は131.64円、豪ドル/円は87.09円、NZドル/円は78.89円へと下落しました。


[これからの展開]

RBNZ(NZ準備銀行)は本日(9日)、政策金利を過去最低の1.75%に据え置くことを決定しました。据え置きは7回連続です。

RBNZは今回、新政権の財政出動やNZドルの下落がインフレを加速させるとして、以下のように8月時点からインフレ見通しを上方修正し、想定される利上げ時期も前倒ししました。

( )は8月時点の見通し
<インフレ率が目標中央値の2%に達する時期>
・2018年4-6月期(2019年1-3月期)
<想定される利上げ時期>
・2019年4-6月期(同7-9月期)

スペンサー総裁代行は会見で、「新政権の財政出動により、追加的な景気刺激効果が生じることが見込まれる」と語り、新政権の政策はNZの経済成長を今後3年間に年0.5%前後押し上げる可能性があるとの見方を示しました。

RBNZは今回、NZドル高をそれほどけん制しませんでした。マクダーモット総裁補佐が「NZドルがもう少し下落すれば良い」と述べたものの、スペンサー総裁代行は「最近のNZドルの下落は喜ばしい」と語り、「NZドルは持続可能な水準に近づいている」との見解を示しました。

利上げ時期の予想が前倒しされ、またスペンサー総裁代行が「NZドルは持続可能な水準に近づいている」との見解を示したことは、NZドルの支援材料になる可能性があります。

ただし、新政権の政策については、詳細が明らかになっていません。RBNZは声明で、新政権の4項目(支出、住宅建設、移民受け入れ制限、最低賃金の引き上げ)における政策によって予想される影響を(今回)加味したとしつつ、これらの政策による影響は非常に不透明と指摘しました。そのため、RBNZのインフレ率や利上げ時期に関する見通しは今後、大きく変化する可能性もあります。

(シニアアナリスト 八代和也)

--------------------------------------


※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

  • 2019.04.19 14:40 更新カナダドル/円:方向感の乏しい状況は変化するか!?【ポイント】・カナダドル/円は4月1日以降、83円台を中心に上下動を繰り返す・90日移動平均線がサポートラインとして機能する一方、200日移動平均線が上値を抑え…
  • 2019.04.18 15:20 更新豪ドル:豪失業率が若干上昇【ポイント】・雇用が堅調に増加する一方、3月の失業率は若干上昇・RBA(豪中銀)が重視する失業率の上昇は、利下げを促す要因となり得る・ただし、失業率は依然として…
  • 2019.04.17 15:30 更新RBNZ(NZ中銀)は5月にも利下げか【ポイント】・1-3月期CPI上昇率はRBNZの見通しを下回る。RBNZが5月に利下げを行う可能性が高まった・企業信頼感指数(4/30)や雇用統計(5/1)が軟…
  • 2019.04.16 15:28 更新RBA議事録:利下げの可能性に言及。その条件も明示【ポイント】・RBA(豪中銀)議事録は、利上げの確率は低いと指摘・“インフレ率が低水準にとどまり、失業率が上昇を続ければ”、利下げが適切になる可能性も・18日の…
  • 2019.04.15 13:43 更新豪ドル:文言変更の理由は!? 16日のRBA議事録に注目【ポイント】・16日のRBA(豪中銀)議事録では、声明の文言変更の理由が明らかになるか!?・政策スタンスのシフトが明確に示されなければ、豪ドルの上昇材料になりそ…

「市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ