市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/10/27 15:07副首相に議員資格なしとの最高裁判断で豪ドルが下落。トルコ中銀は追加利上げに含みも、市場は反応薄

[レビュー]

27日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが下落。一時、豪ドル/円は87.05円、豪ドル/米ドルは0.7627米ドルへと値を下げました。

豪州の最高裁が“ジョイス副首相は議員資格がない”との判断を下しました。それにより、ジョイス副首相は議員資格を喪失。与党の保守連合は下院で過半数を割り込む事態となりました。豪政局の先行き不透明感が浮上し、豪ドルの下押し圧力となりました。


[これからの展開]

豪憲法は、複数の国籍を持つ人が議員になることを禁止しています。ジョイス副首相は豪州とNZの二重国籍を持つことが今年8月に判明、議員資格があるのかどうかの判断を最高裁に求めていました。

ジョイス副首相が議員資格を失ったことにより、保守連合は下院で過半数を割り込みました。

RBA(豪準備銀行)とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策の方向性の違い(RBA→据え置き、FRB→利上げ方向)などを背景に、豪ドル/米ドルには下押し圧力が加わりやすい地合いです。こうした状況のなか、豪政局の先行き不透明感が浮上しました。豪ドル/米ドルへの下押し圧力は一段と強まるかもしれません。豪ドル/米ドルが下げ足を速めた場合、豪ドル/円も引きずられる可能性があります。

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TCMB(トルコ中央銀行)は昨日(26日)、金融政策の現状維持を決定。後期流動性貸出金利を12.25%、1週間物レポ金利を8.00%、翌日物貸出金利を9.25%、翌日物借入金利を7.25%に据え置きました。

TCMBは声明で、「現在の高いインフレ水準やコアインフレ見通しの動向は、価格設定行動にリスクをもたらす」と指摘。「そのため、引き締め的な金融政策スタンスを維持することを決定した」と説明しました。

声明は、「インフレ見通しが大幅に改善し、目標と一致するまで、引き締め的な金融政策スタンスを断固として維持する」と強調。「インフレ期待や企業の価格設定行動、そしてインフレに 影響を及ぼすその他の要因を注視し、必要に応じて一段の金融引き締めを行う」と改めて表明し、追加利上げに含みを持たせました。

今回の声明で目についたのは、「インフレ見通しが大幅に改善し、目標と一致するまで、引き締め的な金融政策スタンスを断固として維持する」との文言です。前回9月14日の会合時は、「インフレ見通しが大幅に改善するまで、引き締め的な金融政策スタンスを維持する」。今回は、新たに“目標と一致する”と“断固として”の文言が追加されました。

エルドアン大統領らが利下げを求めるなか、TCMBは“断固として”という表現を用いるなどインフレ抑制への決意を示し、追加利上げの可能性を残しました。そのことは、トルコリラにとってプラス材料と考えられます。

ただ、市場の関心は現在、TCMBの金融政策よりも、トルコと米国の二国間関係やFRB(米連邦準備制度理事会)の次期議長人事の方に向いています。こうした状況でトルコリラが反発傾向に転じるには、トルコと米国の二国間関係が改善に向かうか、あるいは米ドルの売り材料が必要と考えられます。トルコリラが対米ドルで反発すれば、それにけん引されて対円も上昇する可能性があります。

トルコリラ/円のチャート分析については、本日(27日)の注目のチャート『トルコリラ/円、喫緊の重要ポイントは?』をご覧ください。

(シニアアナリスト 八代和也)

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