市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/09/26 15:47トルコリラは中東クルド人情勢に注意が必要か

[レビュー]

26日東京時間の外国為替市場では、円が強含み。一時、米ドル/円は111.48円、豪ドル/円は88.40円へと値を下げました。北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相の発言を受けて、同国情勢をめぐる懸念が再燃し、円の支援材料となりました。李容浩外相は25日にNYで、トランプ大統領がツイッターに「彼ら(北朝鮮)の先は長くない」と投稿したことについて、「北朝鮮に宣戦布告を行った」と主張。米国が宣戦布告した以上、北朝鮮は米国の戦略爆撃機の撃墜を含め、対抗手段をとる権利があると語りました。

NZドルは軟調。一時、NZドル/円は80.67円、NZドル/米ドルは0.7232米ドルへと下落しました。NZの政局不透明感が引き続き、NZドルの重しとなりました。


[これからの展開]

トルコリラ/円が昨日(25日)急落し、一時31円台前半へと値を下げました。

トルコリラ/円が下落した背景には、北朝鮮情勢をめぐる懸念(=円買い要因)のほか、イラク北部のクルド人自治区で独立の是非を問う住民投票が実施されたことが挙げられます。中東地域をめぐる懸念が高まり、トルコリラに下落圧力が加わりました。

住民投票については、国を分裂させる可能性があるとしてイラク政府が反発。イラクと同様にクルド系住民を多く抱えるトルコやイランは、自国内に分離・独立の動きが波及することを警戒し、住民投票の中止を求めていました。米国も、イラク国内でのIS(イスラム国)掃討作戦に悪影響が出るとして住民投票に反対していました。そうしたなかで、クルド自治政府は住民投票を強行した格好です。

住民投票は独立賛成票が9割以上になるとも伝えられており、賛成多数が確実な情勢です。今回の投票結果には法的な拘束力はないものの、クルド自治政府は今後1〜2年かけてイラク政府と協議を行い、独立を実現する方針のようです。

住民投票が実施されたことを受けて、トルコやイランは対抗措置を発表。イランがクルド自治区との国境封鎖を表明し、トルコも国境封鎖を検討しているようです。そして、イラクとトルコ両国は26日からトルコとクルド自治区の国境地帯で大規模な合同軍事演習を行うと発表しました。

国際社会では、住民投票が実施されれば、民族間や周辺国との緊張が高まり、中東地域が不安定化すると懸念されていました。実際に住民投票が行われたことで、中東地域をめぐる懸念が一段と高まる可能性もあります。その場合、トルコリラにとって重しとなりそうです。

(シニアアナリスト 八代和也)

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