市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/09/06 14:10トルコのCPI上昇率が高まるも、TCMBは引き続き状況を見極めか

[レビュー]

6日東京時間の外国為替市場では、円が強含み。一時、米ドル/円は108.50円、豪ドル/円は86.67円、NZドル/円は78.48円へと下落しました。北朝鮮情勢の先行き不透明感があるなか、日米株安を背景にリスク回避の動きが強まりました。

豪州の4-6月期GDPは前期比+0.8%、前年比+1.8%。市場予想の+0.9%、+1.9%を若干下回ったものの、為替市場に大きな反応はみられませんでした。


[これからの展開]

トルコの8月CPI(消費者物価指数)が昨日(5日)発表されました。結果は前年比+10.68%と、7月の+9.79%から上昇率が加速。TCMB(トルコ中央銀行)のインフレ目標(+5%、その±2%が許容範囲)を引き続き上回りました。

CPIは今年4月に前年比+11.87%と、2008年10月以来の強い伸びを記録。その後、7月まで3か月連続で上昇率が鈍化したものの、再び加速しました。

TCMBはトルコリラ安に起因するインフレ圧力に対応するため、事実上の政策金利となっている “後期流動性貸出金利”を今年1月、3月、4月と3会合連続で引き上げました。その後、2会合(6月、7月)連続で後期流動性貸出金利を据え置いたものの、声明で「インフレ見通しが著しく改善するまで金融政策の引き締めスタンスを維持する」としたうえで、「必要に応じて一段の金融引き締めを行う」と表明。追加利上げに含みを持たせました。

CPI上昇率がインフレ目標から一段とかけ離れたことは、TCMBに利上げを促す要因になる可能性があります。ただし、8月のCPI上昇率が7月から加速したといっても今のところ1か月のみです。また、トルコリラは対米ドルで前回7月の会合時から一段と上昇し、年初来の高値圏で推移しています。トルコリラ高がインフレ圧力を抑える可能性があります。CPI上昇率の加速が一時的なものかどうか、TCMBは状況を見極めると考えられます。

一方で、4月以降のCPI上昇率の鈍化などを背景に、市場ではTCMBの次の一手は利下げとの見方も根強いものの、8月のCPIの結果をみると、現時点で利下げも難しそうです。

9月14日の政策会合では、後期流動性貸出金利や3つの主要政策金利(1週間物レポ金利、翌日物貸出金利、翌日物借入金利)はすべて据え置かれそうです。


(出所:トムソン・ロイターより作成)

(シニアアナリスト 八代和也)

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