市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/08/23 13:47GDP成長率見通しの下方修正でNZドルが下落

[レビュー]

23日東京時間の外国為替市場では、NZドルが下落。一時、NZドル/円は79.16円、NZドル/米ドルは0.7232米ドルへと値を下げました。NZ財務省が同国の2017/18年度のGDP成長率見通しを従来の+3.7%から+3.5%へと下方修正し、NZドルに下押し圧力が加わりました。

円は強含み。一時、米ドル/円は109.37円、ユーロ/円は128.66円、豪ドル/円は86.31円へと下落しました。米国のトランプ大統領の発言や北朝鮮をめぐる報道で、リスク回避の動きが強まりました。トランプ大統領は、債務上限が引き上げられずに政府機関の閉鎖が必要になってもメキシコとの国境に壁を建設すると発言。朝鮮中央通信は、同国の金正恩委員長がICBM(大陸間弾道ミサイル)用の固体燃料エンジンや弾頭部を増産するように指示したと伝えました。


[これからの展開]

NZドル/米ドルは8月16日、一時0.7224米ドルへと下落。7月12日以来、約1か月ぶりの安値をつけました。

NZドル/米ドルが下落した背景には、北朝鮮情勢の緊迫化によりリスク回避姿勢が強まったことや、RBNZ(NZ準備銀行)がNZドル高をけん制したことが、挙げられます。RBNZのウィーラー総裁は8月10日、「NZドルの下落を望む」と述べ、「RBNZには(為替)介入する能力があり、いつでも実施可能だ」と発言。マクダーモット総裁補佐も同日、「RBNZはNZドルの水準に対し、5月よりも若干不快感を覚えている」としたうえで、「市場は、最近のNZドル高に対するRBNZの不快感を認識すべきだ」と語りました。

8月半ば以降、北朝鮮をめぐる問題はいったん落ち着いた感もあるものの、RBNZのNZドル高けん制が意識されて、NZドル/米ドルは上値が重い状態が続いています。NZドル/米ドルは上昇しにくい環境とみられます。

こうしたなかで、NZのGDP成長率見通しが下方修正されました。新たなネガティブ材料が出てきたことで、NZドル/米ドルは上値が一段と重くなる可能性があります。

(シニアアナリスト 八代和也)

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