市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/08/01 15:48RBAが豪ドル高に懸念を表明

[レビュー]

1日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが強含み。一時、豪ドル/円は88.64円、豪ドル/米ドルは0.8039米ドルへと上昇しました。中国の7月財新製造業PMIが51.1と、市場予想の50.4を上回り、豪ドルの支援材料となりました。ただその後、RBA(豪準備銀行)が声明で豪ドル高に懸念を示したことで、豪ドル/円や豪ドル/米ドルは上げ幅を縮小しました。


[これからの展開]

RBAは本日(8月1日)、政策金利を過去最低の1.50%に据え置くことを決定しました。

声明では、豪経済について「RBAの見通しはほぼ変わっていない」と表明。「今後数年間の成長率は年3%前後を予想している」とし、成長率は今後高まるとの見方を示しました。豪州の今年1-3月期のGDP成長率は前年比+1.7%と、昨年10-12月期の+2.4%から鈍化しました。

労働市場についても比較的前向きなものでした。「雇用の伸びはここ数か月で強まっており、すべての州で増加している」と指摘。「先行きに関する指標は引き続き雇用の継続的な伸びを示している」と分析するとともに、「失業率は今後数年間、若干低下する」と予想しました。ただし、RBAが注視する賃金に関しては、「伸びが依然として鈍く、当面はこうした状況が続く可能性がある」とし、前回7月4日と同じ見方が示されました。

住宅市場については、前回から大きな変化はありませんでした。「家計の債務の増加ペースは収入の鈍い伸びを上回っている」と指摘し、高水準の家計債務への懸念を示しました。

一方で、RBAは豪ドル高に懸念を表明しました。声明では、米ドルの下落が一因となり、豪ドルはこのところ上昇していると分析。「豪ドル高は物価圧力を抑制する一因になると予想される」とするとともに、「(豪ドル高は)生産や雇用の見通しの重しにもなっている」と指摘。「豪ドル高により、経済活動の好転とインフレ率の上昇が、現在の想定よりも鈍くなる可能性がある」との見方を示しました。

RBAは声明の最後の段落で、新たに「低水準の金利が豪経済を引き続き支援している」との文言を加え、低金利の必要性を強調。そのうえで、従来と同様に「入手可能な情報を考慮すると、理事会は今回の会合で政策スタンスを維持することが、持続可能な経済成長およびインフレ目標の達成と一致していると判断した」と締めくくりました。

RBAは今回の声明で、豪経済について明るい見通しを示す一方で、低金利の必要性に言及し、豪ドル高に懸念を示しました。豪ドルにとって、前者はプラス材料、後者はマイナス材料と考えられます。ただ、市場では、豪ドル高に懸念が示されたことが、今後、より着目される可能性があります。その場合、豪ドルの上値を抑える要因になりそうです。

(シニアアナリスト 八代和也)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

「市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ