市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/07/26 14:15CPIやRBA総裁の発言を受けて豪ドルが下落

[レビュー]

26日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが下落。一時、豪ドル/円は88.24円、豪ドル/米ドルは0.7894米ドルへと値を下げました。豪州の4-6月期CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回ったことや、RBA(豪準備銀行)のロウ総裁の発言を受けて、豪ドルに下落圧力が加わりました。

ロウ総裁はシドニーでの講演で、主要国中銀が利上げや量的緩和の縮小など金融政策の正常化に向かいつつあることについて、「他の中銀にRBAが歩調を合わせる必要はない」と明言。主要国の金融政策の正常化にRBAが追随(=利上げ)する必要はないとの見方を示しました。ロウ総裁はまた、現在の金融政策に満足しているとしたうえで、「豪ドルが少し下落すれば、もっと良い」と語り、豪ドル高をけん制しました。


[これからの展開]

豪州の4-6月期CPIは前年比+1.9%と、市場予想(+2.2%)に反して1-3月期の+2.1%から上昇率が鈍化。RBA(豪準備銀行)のインフレ目標の下限である+2%を再び下回りました。一方、RBAがCPIとともに重視するとされる基調インフレ率(トリム平均と加重中央値の平均値)は前年比+1.80%でした。RBAのインフレ目標を下回ったものの、1-3月期の+1.75%からわずかに加速。2015年10-12月期以来の強い伸びとなりました。

RBAは5月の金融政策報告で、今年6月にCPI上昇率は前年比+2%、基調インフレ率は同+1.75%になるとの見通しを示しました。CPIや基調インフレ率はRBAの見通しに沿って推移していると言えそうです。

RBAは前回7月4日の会合で政策金利を1.50%に据え置きました。その時の声明や議事録を見ると、政策メンバーは現時点でインフレよりも、労働市場や住宅市場を注視しています。そのため、CPIだけで金融政策スタンスを変える可能性は低いと見られます。

また、ロウ総裁が主要国に追随してRBAが利上げを行う必要はないとの認識を示し、豪ドル高をけん制しました。ただ、デベル副総裁が21日に同様の見解を示しており、ロウ総裁の発言は材料として目新しさに欠ける感もあります。デベル副総裁は、「他の中銀が利上げしたからといって、豪州の金利も自動的に引き上げる必要はない」と述べ、「豪ドルが下落すれば、(豪経済にとって)一段の助けになる」と語りました。

そう考えると、CPIなどを材料視した豪ドル売りは長続きしない可能性があります。


出所:Bloombergより作成

(シニアアナリスト 八代和也)

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