市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/07/19 14:13豪ドル/米ドルが2年2か月ぶりの高値圏、一段と上昇するか!?

[レビュー]

19日東京時間の外国為替市場は、小動き。米ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(18日)のNY終値水準での“もみ合い”となりました。経済指標発表などがなく、新たな手掛かり材料に乏しいなか、様子見ムードが漂いました。


[これからの展開]

昨日(18日)、豪ドル/米ドルが約2年2か月ぶり、豪ドル/円が1年7か月ぶりの高値をつけました。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペース鈍化観測や日銀が現在の金融緩和策を継続するとの観測が根強くあるなか、昨日公表されたRBA(豪準備銀行)議事録が豪ドル/米ドルや豪ドル/円を一段と押し上げました。

RBA議事録(7月4日開催分)では、豪経済について明るい見方を示し、「最近の労働市場のデータの強さが、賃金上昇予想の下振れリスクを一部除去した」と分析しました。RBAは昨年8月に利下げを行った後、政策金利を据え置いています。その背景には、住宅市場への懸念(高水準の家計債務など)や軟調な労働市場がありました(住宅市場を考えれば利下げが難しく、労働市場を考えれば利上げは難しい)。そして、RBAは政策会合時の声明における労働市場に関する記述で、賃金の伸びの鈍さを指摘してきました。

議事録で、賃金上昇予想の下振れリスクが低下したとの見方が示されたことから、RBAの次の一手は利上げになる可能性がより高まったと考えることができそうです。

また、政策メンバーが中立金利について議論したことも議事録で判明。不確実性が大きいとしつつも、中立金利は3.5%前後との推定値が示されました。RBAの現在の政策金利は1.50%。中立金利について議論されたことは、RBAが先々の利上げを視野に入れつつあることを示している可能性もあります。

RBA議事録を受けて、市場ではRBAが予想よりも早く利上げに踏み切るとの観測が浮上。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)を参考にすれば、RBAの利上げの確率が50%を超えるのは、18日時点で2018年5月と、17日時点の7月から2か月早まりました。

<OISが織り込む、RBAが利上げを行う確率>
*7月17日時点
 ・2018年5月:42.9%、6月:42.9%、7月:67.9%
*7月18日時点
 ・2018年5月:56.9%、6月:56.9%、7月:74.2%

米ドルや円にとってマイナス材料があるなかで、RBA議事録は豪ドルにとって新たなプラス材料と言えそうです。豪ドル/米ドルや豪ドル/円は堅調に推移しそうです。明日(20日)発表される豪州の6月雇用統計が堅調な結果になれば、豪ドル/米ドルや豪ドル/円は一段と上昇する可能性があります。目先の上値メドとして、豪ドル/米ドルは大台である0.80米ドルや2015年5月高値の0.8159米ドル、豪ドル/円は大台の90円が挙げられます。

(シニアアナリスト 八代和也)

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