市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/07/18 13:32NZドル/米ドルは反発するも、注意が必要か!?

[レビュー]

18日東京時間の外国為替市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は111.99円へと下落し、ユーロ/ドルは1.1535米ドル、豪ドル/米ドルは0.7899米ドルへと上昇しました。米国の経済指標がこのところ弱めなことや、米医療保険制度改革法(オバマケア)の代替案に反対を表明する共和党議員がさらに増えたと伝わり、米ドルに下押し圧力が加わりました。

NZドルは下落のち上昇。NZの4-6月期CPI(消費者物価指数)が前年比+1.7%と、市場予想の+1.9%を下回ったことで、一時、NZドル/円は81.68円、NZドル/米ドルは0.7264米ドルへと下落しました。その後、米ドル売り圧力が強まるなか、NZドル/米ドルが反発。NZドル/米ドルにけん引されて、NZドル/円も値を戻しました。


[これからの展開]

本日(18日)、NZの4-6月期のCPIが発表されました。結果は前年比+1.7%と、1-3月期の+2.2%から上昇率が鈍化。RBNZ(NZ準備銀行)の5月時点の見通しである+2.1%を下回り、インフレ目標(+1〜3%)の中央値である+2%も再び下回りました。

市場では、RBNZが来年前半にも利上げに転じるとの観測があります。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)では、昨日(17日)時点で、RBNZが年内に利上げを行う確率が16.6%織り込まれています。利上げの確率は来年2月までで32.0%、3月までで44.7%、5月までで56.2%、6月までで80.1%へと上昇します。

今回のCPIを受けて、RBNZの利上げ観測は後退しました。そのことは、NZドルにとってマイナス材料です。

投機筋のNZドルの買いポジションが積み上がっていることも気がかりです。CFTC(米先物取引委員会)が7月14日に発表した、11日時点のIMM通貨先物の非商業(投機)部門のNZドルのポジションは31,905枚の買い越しと、前週4日の29,133枚から増加。買い越しは、2004年以降最大となりました。買いポジションが大きく積み上がっていると、何らかのきっかけでポジションを解消する動きが強まった場合、その反動(=NZドルの下げ幅)も大きくなる可能性があります。

本日は、米ドルが売られたことで、CPIを受けて下落したNZドル/米ドルは値を戻しました。ただし、投機筋のポジション動向などを見ると、反落する可能性には注意が必要です。


(出所:Bloombergより作成)

(シニアアナリスト 八代和也)

--------------------------------------


※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

  • 2018.12.10 14:32 更新豪ドル下落の背景は!?【ポイント】・リスク回避(主要国株安、米中の対立激化への懸念)が豪ドルの重石・軟調な豪GDPも豪ドルへの下落圧力・市場では、RBA(豪中銀)の利上げが遅れるとの…
  • 2018.12.07 15:10 更新カナダ中銀の利上げ観測が一段と後退【ポイント】・カナダドルが6日、対米ドルで昨年6月以来、対円で今年6月以来の安値を記録・BOC(カナダ中銀)の利上げ観測の後退、軟調な原油価格がカナダドルへの下…
  • 2018.12.06 14:15 更新円が全面高。カナダ中銀の利上げ観測は後退【ポイント】・米国と中国の関係悪化への懸念からリスク回避の動き・BOC(カナダ中銀)は利上げ継続を表明・一方で、利上げペースの鈍化を示唆。カナダドルにとってマイ…
  • 2018.12.05 13:18 更新BOC(カナダ中銀)の声明にカナダドルが反応!?【ポイント】・本日5日、BOCは政策金利を据え置くとみられる・市場では、BOCの次回利上げ時期が後ズレし、来年の利上げ回数が減少するとの見方もあり・BOCの声明…
  • 2018.12.04 14:18 更新豪RBAの金融政策スタンスに変化なし!?【ポイント】・RBA(豪中銀)は政策金利を据え置き・失業率低下やインフレ率上昇のペースは“緩やかになる”可能性が高いとの見方を維持・政策金利を当面据え置くことを…

「市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ