市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/07/13 15:01BOC(カナダ銀行)の追加利上げ観測に支えられて、加ドルが今後一段と上昇する可能性も!?

[レビュー]

13日東京時間の外国為替市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は112.86円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.1435米ドル、豪ドル/米ドルは0.7695米ドル、NZドル/米ドルは0.7291米ドルへと上昇しました。FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が昨日(12日)の議会証言で、利上げを急がない姿勢を示したことが、米ドルへの下押し圧力となりました。


[これからの展開]

BOC(カナダ銀行)は昨日(12日)、政策金利を0.50%から0.25%引き上げて0.75%とすることを決めました。利上げは2010年9月以来、6年10か月ぶりです。

BOCは声明の冒頭で、「最近のデータによって、潜在成長力を上回る成長や経済における余剰能力の吸収に関する見通しへの自信が強まった」と、利上げの理由を説明しました。

インフレについては、「最近の弱さを認識しているが、それは一時的なものと判断した」とし、現時点でインフレの弱さはそれほど懸念していないことを示しました。カナダの5月CPI(消費者物価指数)は前年比+1.3%と、BOCのインフレ目標の中央値である+2%を下回りました。

声明では、カナダ経済について強気な見方が示されました。個人消費が原動力になって堅調に推移しており、経済における余剰能力がかなり解消されたと指摘。1〜3月期の非常に強い成長は今年残りの期間に減速するものの、引き続き潜在成長力を上回るとの見通しを示しました。

また、BOCはカナダのGDP成長率見通しを4月時点から上方修正(下記参照)。需給ギャップが解消される見通しも2017年末頃と、4月時点の2018年上半期よりも早めました。

 <GDP成長率見通し>
 ・2017年:+2.8%(4月時点:+2.6%)
 ・2018年:+2.0%(同:+1.9%)

金融政策については、「現時点での見通しは、金融刺激策の一部解除を正当化する」としつつも、「政策金利の将来の調整は、今後発表されるインフレ見通しに関する指標次第」と強調。先行きの不透明感や金融システムの脆弱性も引き続き考慮するとしました。

声明では、追加利上げが明確に示されませんでした。ただし、カナダ経済に関する見方や、BOCのポロズ総裁の発言(*)を踏まえると、BOCは政策金利をまずは2015年の利下げ前の水準に戻すと見られます。BOCは2015年に2回(0.25%×2)の利下げを行ったことから、少なくともあと1回は利上げを行うと考えることができます。(*)ポロズ総裁は6月27日に「2015年の利下げはその役割を終えた」と語りました。

6月半ば以降の加ドルの上昇は、7月の利上げ観測が原動力でした。市場では、BOCは10月にも追加利上げに踏み切るとの見方が浮上しました。追加利上げ観測に支えられて、加ドルは引き続き堅調に推移しそうです。

(シニアアナリスト 八代和也)

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