2017/07/10 15:03米ドル/円が約2か月ぶり、ユーロ/円は約1年5か月ぶり、NZドル/円は5か月半ぶりの高値。NZドル/米ドルは上値が重い展開か!?
[レビュー]
10日東京時間の外国為替市場では、円が軟調に推移。一時、米ドル/円は114.16円、ユーロ/円は130.27円、豪ドル/円は86.86円、NZドル/円は83.04円へと上昇しました。日銀と他の主要先進国中銀との金融政策の方向性の違いを背景に、円売り圧力が加わりました。
市場では、日銀が現行の金融緩和策を継続すると見られる一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は年内に追加利上げやバランスシートの縮小開始に踏み切るとの見方が有力。また、ECB(欧州中央銀行)が早期に量的緩和を縮小し、BOE(英イングランド銀行)やBOC(カナダ銀行)は近い将来に利上げに転じるとの観測があります。
[これからの展開]
CFTC(米先物取引委員会)は7月7日、4日(火)時点のIMM通貨先物の非商業(投機)部門のポジション動向を発表しました。
それによると、NZドルのポジションは29,133枚の買い越しとなり、前週6月27日の25,233枚から増加。買い越しは、2013年4月以来、4年3か月ぶりの高水準となりました。ポジション動向からは、投機筋のNZドル買い余力が少なくなりつつあると考えることもできそうです。
また、日足チャートを見ると、NZドル/米ドルは昨年7月以降、0.73米ドル台で反落する展開が続いており、今回の上昇局面でも同様でした。そのため、0.73米ドル台では、利益確定売り圧力が強まると見られます。NZドル/米ドルが0.7488米ドル(2016年9月7日高値)に向けて上昇するには、NZドル買い、あるいは米ドル売りの材料が新たに必要と考えられます。
CFTC統計のNZドルのポジション

*買いポジション−売りポジション
(トムソン・ロイターより作成)
NZドル/米ドル(日足、2016/4/29〜)

(出所:M2JFXチャート)
(シニアアナリスト 八代和也)
10日東京時間の外国為替市場では、円が軟調に推移。一時、米ドル/円は114.16円、ユーロ/円は130.27円、豪ドル/円は86.86円、NZドル/円は83.04円へと上昇しました。日銀と他の主要先進国中銀との金融政策の方向性の違いを背景に、円売り圧力が加わりました。
市場では、日銀が現行の金融緩和策を継続すると見られる一方、FRB(米連邦準備制度理事会)は年内に追加利上げやバランスシートの縮小開始に踏み切るとの見方が有力。また、ECB(欧州中央銀行)が早期に量的緩和を縮小し、BOE(英イングランド銀行)やBOC(カナダ銀行)は近い将来に利上げに転じるとの観測があります。
[これからの展開]
CFTC(米先物取引委員会)は7月7日、4日(火)時点のIMM通貨先物の非商業(投機)部門のポジション動向を発表しました。
それによると、NZドルのポジションは29,133枚の買い越しとなり、前週6月27日の25,233枚から増加。買い越しは、2013年4月以来、4年3か月ぶりの高水準となりました。ポジション動向からは、投機筋のNZドル買い余力が少なくなりつつあると考えることもできそうです。
また、日足チャートを見ると、NZドル/米ドルは昨年7月以降、0.73米ドル台で反落する展開が続いており、今回の上昇局面でも同様でした。そのため、0.73米ドル台では、利益確定売り圧力が強まると見られます。NZドル/米ドルが0.7488米ドル(2016年9月7日高値)に向けて上昇するには、NZドル買い、あるいは米ドル売りの材料が新たに必要と考えられます。
CFTC統計のNZドルのポジション

*買いポジション−売りポジション
(トムソン・ロイターより作成)
NZドル/米ドル(日足、2016/4/29〜)

(出所:M2JFXチャート)
(シニアアナリスト 八代和也)
**********
今月の特集7月「主要中央銀行、それぞれの金融政策」をアップしました。
当社が取り扱う8通貨の中央銀行+日本銀行について、リーマン・ショック後の対応や金融政策の現在地、次の一手、注目ポイントなどをまとめて解説しました。投資判断のご参考にしていただければ、幸いです。
---------------------------------------
※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
バックナンバー
- 2019.02.21 14:31 更新豪ドルは強い雇用や利下げ観測で上下に往って来い【アップデート】本日午後2時30分ごろ、ロイター通信が、「中国・大連港の税関当局が豪州産石炭輸入を無期限禁止」と報道。豪ドルは、対米ドルで報道前の0.717米ド…
- 2019.02.20 15:18 更新21日に豪雇用統計発表。豪ドルが反応する可能性あり【ポイント】・RBA(豪中銀)は住宅市場への懸念を強める一方、労働市場について楽観的な見方・今回の雇用統計が弱めの結果でも、RBAの楽観的な見方に変化なし!?・…
- 2019.02.19 14:35 更新RBAが住宅市場への懸念を強めていることが判明【ポイント】・RBA(豪中銀)は、「住宅価格が一段と下落すれば、消費が予想よりも弱くなる可能性がある」と指摘・RBAの利下げ観測は、議事録を受けて一段と高まる可…
- 2019.02.18 13:58 更新豪ドルは19日のRBA議事録に注目【ポイント】・RBA(豪中銀)の政策スタンスは、“引き締めバイアス”から“中立”へシフト・議事録では、政策スタンスがシフトした背景が判明しそう[レビュー]18日…
- 2019.02.15 15:43 更新エスコムをめぐる懸念で南アフリカランドに対して下落圧力【ポイント】・エスコム(南アフリカの国営電力会社)が経営危機。公共企業省は実質破たん状態との見解・南アフリカ政府はエスコムを支援する方針。20日に詳細を発表する…
「市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。
そのほかのマーケット情報
- 今週はこう動く! マーケット羅針盤 【2019.02.18 更新】今週の注目通貨(米ドル/円)
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る) 【2019.02.21 更新】マーケット: 欧州通貨堅調、トルコリラ軟調
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る) 【2019.02.21 更新】注目されたFOMC議事録、こう読む
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる) 【2019.02.21 更新】「米リセッションの指標」に黄色信号
- 週刊2分でわかる豪・NZ 【2019.02.21 更新】豪ドル上値限定か、注目集めたRBAの分析
- 週刊2分でわかるトルコ 【2019.02.18 更新】トルコリラ相場は適正か
- 市場調査部エクスプレス Todays'Flash! 【2019.02.21 08:26 更新】ユーロ圏の景況感が悪化すれば、ECBは追加緩和措置も
- 市場調査部エクスプレス スポットコメント 【2019.02.21 10:14 更新】米FOMC議事録、キーワードは「辛抱強く」。利下げが真剣に議論された形跡はなし
- 市場調査部エクスプレス 注目のチャート 【2019.02.21 08:57 更新】NZドル/円、上値トライの時間帯
- FXニュース 最新のFXニュースヘッドラインを提供しております。
- FXチャート リアルタイムのFXチャートをご覧いただけます。
- 経済カレンダー 市場に影響を与える可能性がある各種経済イベントをカレンダーで提供しております。
- 政策金利データ 主要各国の政策金利表を提供しております。
- ヒストリカルデータ 日足・週足・月足の4本値データをダウンロード提供しております。
- 主要指標 LDN-NY関連・アジア・オセアニア関連の指標を提供しております。
- みんなのリピート 各通貨ペアのリピート注文発注状況および成立状況をご覧いただけます。