市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/06/29 15:26南アフリカランド/円が一段と上昇するには!?

[レビュー]

29日東京時間の外国為替市場では、ユーロや英ポンドが堅調に推移。一時、ユーロ/米ドルは1.1415米ドル、ユーロ/円は128.09円、ポンド/円は145.57円へと上昇しました。ユーロ/米ドルは約1年、ユーロ/円は約1年3か月、ポンド/円は約1か月半ぶりの高値を更新しました。ECB(欧州中央銀行)の金融緩和の縮小観測や、BOE(英イングランド銀行)の早期利上げ観測が引き続き支援材料となりました。

NZドルも強含み。一時、NZドル/円は82.19円、NZドル/米ドルは0.7327米ドルへと上昇しました。ANZが発表したNZの企業景況感や企業活動見通し(いずれも6月分)が前月から改善したことが好感されました。企業景況感と企業活動見通しの結果は下記のとおりです。

・企業景況感:24.8(前回14.9) *2016年9月以来の高水準
・企業活動見通し:42.8(同38.3) *2014年7月以来の高水準


[これからの展開]

SARB(南アフリカ準備銀行)のナイドウ副総裁は28日、南アフリカがリセッション(景気後退)に陥ったことについて、「低い企業信頼感、信用格付けの引き下げ、(政府の)政策の不確実性、政府・企業・投資家の間に不信感があることによるものだ」と指摘。「SARBの金融政策が原因ではない」と強調しました。

南アフリカの今年1-3月期のGDPは前期比年率換算-0.7%と、昨年10-12月期(-0.3%)に続いてマイナス成長を記録。南アフリカ経済は2009年以来、8年ぶりにリセッションに陥りました。

SARBは2014年1月に利上げを開始し、2016年3月までに政策金利を累計2%引き上げました。景気の低迷と根強いインフレ圧力という政策上のジレンマに直面するなか、その後は政策金利を据え置き続けています(現在は7.00%)。


(出所:Bloombergより作成)

南アフリカランド/円は5月半ば以降、おおむね8円台半ばで推移し、方向感を失っている状況です。

その要因として、ランドと円の双方にマイナス材料があることが挙げられます。

南アフリカ経済の弱さや金(ゴールド)価格が足もとで弱含んでいること、そして護民官(オンブズマン)の提案が、ランドの重しとなっています。護民官は6月19日、SARBの責務のひとつである「通貨(=ランド)の価値を守る」を「均衡の取れた持続的な経済成長を促す」へと変更することを提案しました。

一方、円は堅調な米株式市場(リスク選好の動き)や日銀の金融緩和長期化観測が下押し圧力となっています。

ランド/円が一段と上昇するには、金価格が上昇に転じることや、経済指標が改善するなどして南アフリカの景気回復の兆しが見られることが必要かもしれません。

(シニアアナリスト 八代和也)

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