市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/06/13 13:15利上げ観測が浮上し、加ドルが上昇。トルコ経済は2四半期連続のプラス成長

[レビュー]

13日東京時間の外国為替市場では、加ドルが堅調に推移。加ドル/円は一時、82.84円へと上昇しました。ウィルキンスBOC(カナダ銀行、中央銀行)上級副総裁の昨日(12日)の発言が、加ドルの支援材料となりました。ウィルキンス上級副総裁は、「BOCは最近の景気動向に勇気づけられている」と述べ、「経済成長が持続する中で、かなりの金融刺激策が必要かどうかを点検する」と語りました。


[これからの展開]

トルコの1-3月期GDPが昨日(12日)発表されました。前年比+5.0%と、市場予想の+3.5%を上回り、2四半期連続でプラス成長を記録しました。政府が2月に導入した家電などの購入時の免税措置や、最大の貿易相手であるEU(欧州連合)の景気回復による輸出増が、成長をけん引しました。1-3月期GDPの結果は、トルコリラにとってプラス材料と考えられます。

シムシェキ副首相は1-3月期のGDPについて、「よりバランスが取れた成長だった」と評価。「経済指標は、GDP成長率が4-6月期に一段と加速することを示している」と述べました。

シムシェキ副首相は一方で、インフレ率の高さにも言及。「10%を上回るインフレ率は容認できない」と述べ、「1桁に下げる必要がある」と語りました。トルコの5月CPI(消費者物価指数)は前年比+11.72%。2008年10月以来の強い伸びを記録した4月の+11.87%から上昇率が若干鈍化したものの、高止まりしています。

シムシェキ副首相は、「TCMB(トルコ中央銀行)は大規模な金融引き締めの状況にある」と指摘。「TCMBの政策がインフレに与える影響は遅れて出てくる」との見方を示し、「為替レートがインフレに関して一段と支えになっている」と述べました。TCMBはインフレに対応するために、後期流動性貸出金利を今年1月以降に計2.25%引き上げました。トルコリラは対米ドルで1月下旬から反発傾向にあります。

TCMBが今週木曜日(15日)に政策金利を発表します。市場では、5月のCPI上昇率がわずかとはいえ4月から鈍化したことや、トルコリラの対米ドルでの反発を背景に、後期流動性貸出金利を含めて、政策金利をすべて据え置くとの見方が有力です。そのため、利上げあるいは利下げが決定されればサプライズであり、トルコリラが反応しそうです。


*日足終値
(出所:Bloombergより作成)

(シニアアナリスト 八代和也)

---------------------------------------

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

  • 2019.02.22 16:35 更新RBNZ副総裁が利下げの可能性に言及し、NZドルが下落【ポイント】・ RBNZが自己資本要件(銀行に求める自己資本)の引き上げを提案・その場合、借入コストが上昇して金融環境が引き締まる可能性も・RBNZ(NZ中銀)…
  • 2019.02.21 14:31 更新豪ドルは強い雇用や利下げ観測で上下に往って来い【アップデート】本日午後2時30分ごろ、ロイター通信が、「中国・大連港の税関当局が豪州産石炭輸入を無期限禁止」と報道。豪ドルは、対米ドルで報道前の0.717米ド…
  • 2019.02.20 15:18 更新21日に豪雇用統計発表。豪ドルが反応する可能性あり【ポイント】・RBA(豪中銀)は住宅市場への懸念を強める一方、労働市場について楽観的な見方・今回の雇用統計が弱めの結果でも、RBAの楽観的な見方に変化なし!?・…
  • 2019.02.19 14:35 更新RBAが住宅市場への懸念を強めていることが判明【ポイント】・RBA(豪中銀)は、「住宅価格が一段と下落すれば、消費が予想よりも弱くなる可能性がある」と指摘・RBAの利下げ観測は、議事録を受けて一段と高まる可…
  • 2019.02.18 13:58 更新豪ドルは19日のRBA議事録に注目【ポイント】・RBA(豪中銀)の政策スタンスは、“引き締めバイアス”から“中立”へシフト・議事録では、政策スタンスがシフトした背景が判明しそう[レビュー]18日…

「市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ