市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/06/01 14:18中国経済指標で豪ドルが下落。鉄鉱石価格の下落に歯止めかからず

[レビュー]

1日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが下落。一時、豪ドル/円は81.91円、豪ドル/米ドルは0.7385米ドルへと値を下げました。弱めの中国の経済指標が豪ドルの重しとなりました。中国の5月財新製造業PMI(購買担当者景気指数)は49.6と、4月の50.3から低下。景況判断の分かれ目となる「50」を11か月ぶりに下回りました。

[これからの展開]

中国は豪州最大の輸出先であるため、財新製造業PMIが弱めだったことは、豪ドルにとってマイナス材料です。

ただし、市場の関心は現在、来週木曜日(8日)の英総選挙や、米国の政局の行方に向いており、中国は市場のテーマから外れている感があります。財新製造業PMIは相場材料として長続きしない可能性があります。

一方で、鉄鉱石価格が一段と下落しています。中国の青島に荷揚げされる鉄鉱石(鉄分62%)価格 は5月31日に1トン=57.02米ドルと、昨年10月13日以来、約7か月半ぶりの安値をつけました。鉄鉱石価格は今年2月、一時94.86米ドルへと上昇。そのピークからの下落率は40%近くに達しました。

鉄鉱石価格の下落の背景には、最大の消費国である中国の景気減速によって需要が減少するとの懸念があるようです。鉄鉱石は豪州の輸出全体の約2割を占める最大の輸出品であるため、その価格の下落は豪ドルに対する下押し圧力へとつながります。

5月の豪ドル/米ドルは、比較的底堅く推移しました。米政局の先行き不透明感から米ドルが弱含んだことが要因です。米政局の先行き不透明感が和らぐ、あるいは鉄鉱石価格が下落を続ける場合、豪ドル/米ドルにはさらに下押し圧力が加わる可能性があります。豪ドル/米ドルが堅調に推移するためには、豪ドル側の材料として鉄鉱石価格の下げ止まりや反発が必要かもしれません。


*鉄鉱石価格=中国の青島に荷揚げされる鉄鉱石(鉄分62%)
(出所:Bloombergより作成)

(シニアアナリスト 八代和也)

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