市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/05/09 13:27豪ドルが下落。SARB(南ア準備銀行)のクガニャゴ総裁が利下げ観測をけん制

[レビュー]

9日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが軟調に推移。一時、豪ドル/円は83円台前半、豪ドル/米ドルは0.73米ドル台半ばへと下落しました。鉄鉱石価格の下落が重しとなるなか、豪州の3月小売売上高が前月比-0.1%と、市場の予想(+0.3%)に反してマイナスとなったことで、豪ドルにさらなる下落圧力が加わりました。

NZドル/円やNZドル/米ドルは、小動き。おおむね昨日(8日)のNY終値水準での“もみ合い”となりました。


[これからの展開]

SARB(南アフリカ準備銀行)のクガニャゴ総裁は5月4日、「SARBの利上げサイクルは終わりに近づいている可能性がある」と述べました。

SARBは2014年1月に利上げを開始。昨年(2016年)3月までの間に政策金利を計2%引き上げた後、据え置きを続けています(現行7.00%)。

CPI(消費者物価指数)上昇率は、2016年以降の大半の期間でSARBのインフレ目標の上限である+6%を上回っています。今年3月は前年比+6.1%でした。

ただし、SARBはCPI上昇率が今後鈍化すると見ているようです。SARBは前回3月30日の会合で、CPI上昇率は今年4-6月期にインフレ目標(+3〜6%)内に収まり、少なくとも2019年まで目標内にとどまるとの見通しを示しました。その後、南アフリカの政局不安などを背景に対米ドルで南アフリカランド安が進みました。足もとのランドについて、クガニャゴ総裁は5月4日、「3月の会合でのMPC(金融政策委員会)の為替(ランド)レートの想定は、現在のレートよりも弱かった」と指摘。「インフレ見通しはおそらく変わらない」と述べました。

クガニャゴ総裁は一方で、市場が利下げを予想していることについては、「先走っている」と指摘。「利上げサイクルの終了は、利下げの始まりを意味しない」と強調し、利下げ観測をけん制しました。

南アフリカの景気低迷(昨年10-12月期にマイナス成長)や、SARBのCPI上昇率見通しを考えると、金融政策の変更があるとすれば「利下げ」の可能性の方が高いとみられます。それでも、クガニャゴ総裁が市場の利下げ観測をけん制したことは、ランドの下支え材料になりそうです。SARBの次回会合は、5月24-25日(政策金利の発表は25日)です。


(出所:Bloombergより作成)

(アナリスト 八代和也)

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