市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/05/04 13:50トルコリラの下押し要因には引き続き注意が必要か

[レビュー]

4日東京時間の外国為替市場は、動意に乏しい展開。昨日(日本時間4日3:00)の米FOMCでは6月利上げの可能性が示されましたが、日本がゴールデンウィークで市場参加者が少ないことや、明日(5日)に4月の米雇用統計を控えていることもあり、薄商いとなりました。

[これからの展開]

豪ドルは、昨日の米FOMCの結果判明後に下落。豪ドル/米ドルは0.74ドル台前半、豪ドル/円は77円台前半まで下落しました。

2日のRBA(豪準備銀行)の会合後には、RBAの労働市場への見方がやや改善したことを受けて、豪ドルは強含む場面も見られました。一方で、RBAはこれまでと同様に今後の金融政策については言及しませんでした。市場では、RBAが政策金利を当面据え置くとの見方が有力です。そのため、今後の豪ドルはFRB(連邦準備制度理事会)の利上げペースにも影響を受ける可能性がありそうです。

トルコの4月CPI(消費者物価指数)が昨日(3日)発表されました。結果は前年比+11.87%と、3月の+11.29%から伸びが加速。2008年10月以来の高水準となりました。

 


(出所:Bloombergより作成)

TCMB(トルコ中央銀行)はインフレ見通しの悪化を抑えることを理由に、前回4月26日の会合で後期流動性貸出金利(※)を0.50%引き上げました(11.75%から12.25%)。TCMBは1月半ば以降、短期市場金利を後期流動性貸出金利近辺へと誘導しているため、事実上の利上げと言えます。

(※)本来は、金融機関が資金不足を回避するための最終手段として用意されている例外的な資金供給金利。

チェティンカヤ総裁は4月28日、「インフレ見通しが改善するまで金融政策の引き締めスタンスを継続する」と表明。引き締め的な金融政策スタンスを維持する姿勢を示しました。

一方で、市場ではTCMBがインフレ対応で利上げを行うのは難しくなりつつあるとの見方もあります。エルドアン大統領や政府高官が繰り返し利下げ(または金利据え置き)を要求していることや、利上げは低迷する景気にさらなる下押し圧力を加えるためです。

足元では上昇しているトルコリラですが、エルドアン政権からの利下げ圧力や景気が低迷する中でのインフレ圧力の高まり(CPI上昇率の加速)は、トルコリラにとって下押し要因となる可能性があり、引き続き注意は必要でしょう。

(市場調査部 根岸慎太郎)

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