市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/04/27 14:03NAFTAをめぐる報道でカナダドル上昇。TCMB(トルコ中銀)は後期流動性貸出金利を引き上げ

 [レビュー]

27日東京時間の外国為替市場では、カナダドルが急伸。一時、カナダドル/円は82円台へと上昇しました。米国のトランプ大統領がカナダのトルドー首相とメキシコのペニャニエト大統領と電話会談を行い、NAFTA(北米自由貿易協定)を現時点で停止しないことで合意したと伝わり、カナダドルとメキシコペソを押し上げました。カナダは米国への輸出依存度が高く、輸出の約7割が米国向けです。

日銀は金融政策の現状維持を7対2の賛成多数で決定。展望レポートでは、足もとの景気判断を従来の「緩やかな回復基調」から「緩やかな拡大に転じつつある」へと上方修正しました。一方で、2017年度のコアCPI上昇率見通しを従来の+1.5%から+1.4%へと下方修正しました。


[これからの展開]

TCMB(トルコ中央銀行)は昨日(26日)の政策会合で、「1週間物レポ金利(主要政策金利)」、「翌日物借入金利」、「翌日物貸出金利」をいずれも据え置きました。一方で、「後期流動性貸出金利」を11.75%から12.25%へ、0.50%引き上げました。後期流動性貸出金利は1月半ば頃から短期市場金利の上限として機能しているため、今回の決定は事実上の利上げと言えそうです。

TCMBは声明で、「ここ数か月間のコスト上昇圧力や食品価格のボラティリティが、インフレ率の急激な上昇をもたらした」と指摘。「最近のリスク選好度の改善がコスト要因からの上向き圧力を幾分抑制するものの、現在の高水準のインフレは企業の価格設定行動にリスクをもたらす」としたうえで、「インフレ見通しの悪化を抑えるために、金融政策の引き締めを強化することを決定した」と説明しました。

トルコの3月CPI(消費者物価指数)は前年比+11.29%と、2月の同+10.13%から上昇率が加速。2008年10月以来の強い伸びとなり、TCMBのインフレ目標(+5%、その±2%が許容範囲)から一段と上方にかい離しました。

TCMBは、「物価安定という目標のために利用可能なすべての手段を使う」と表明。「インフレ見通しが著しく改善されるまで金融政策の引き締めスタンスを維持する」と強調しました。「インフレ期待や企業の価格設定行動、そしてインフレに影響を及ぼすその他の要因を注視し、必要に応じて一段の金融引き締めを行う」とし、追加利上げに含みを残しました。

政策会合前にトルコ政府高官がTCMBに対して利下げを要求。短期市場金利(翌日物銀行間金利)が今年1月初めから大幅に上昇していたため、市場ではTCMBがインフレ対応で利上げを行うのは難しくなりつつあるとの見方もありました。

そのなかで、主要政策金利を据え置きつつも、後期流動性貸出金利を引き上げたことは、TCMBが中銀の独立性を守り、インフレ対応への決意を示したと言えそうです。今回の決定は、トルコリラにとってプラス材料と考えられます。ただし、エルドアン政権からの利下げ圧力が一段と強まるか注視する必要はありそうです。


(出所:Bloombergより作成)

(アナリスト 八代和也)

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