市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/04/06 14:59トルコリラ/円が約2か月ぶり安値圏。国民投票を控え、上値が重い展開が続きそう

[レビュー]

6日東京時間の外国為替市場では、円が強含み。一時、米ドル/円は110.30円、豪ドル/円は83.15円、NZドル/円は76.85円へと下落しました。日経平均が一時、前日終値比300円を超える下落。株安を背景に、円買い圧力がやや強まりました。


[これからの展開]

トルコリラが軟調です。足もとで対円では約2か月ぶり、対米ドルでは約3週間ぶりの安値圏にあります。

トルコリラ下落の背景として、国民投票をめぐる不透明感のほか、インフレの加速が挙げられます。

トルコでは、憲法改正の是非を問う国民投票が4月16日に行われます。各種世論調査では、賛成と反対がそれぞれ4割程度で拮抗しており、予断を許さない状況です。

トルコの3月CPI(消費者物価指数)は前年比+11.29%と、2月の+10.13%から加速。2008年10月以来、8年5か月ぶりの強い伸びとなりました。食料価格の上昇やトルコリラ安による輸入価格の上昇がCPIを押し上げました。

インフレ加速への対応策として、利上げが考えられます。TCMB(トルコ中央銀行)はインフレ見通しの悪化を抑えることを理由に、前回3月の会合で後期流動性貸出金利を引き上げました。3つの政策金利(1週間物レポ金利、翌日物貸出金利、翌日物借入金利)は据え置いたものの、TCMBは1月半ば以降、短期市場金利を後期流動性貸出金利近辺へと誘導しているため、事実上の利上げと言えます。

市場では、TCMBが積極的に利上げを行うのは難しいとの見方があります。エルドアン大統領や政府高官が繰り返し利下げ(あるいは金利据え置き)を要求していることや、利上げは景気の下押し圧力となるためです。こうした見方があるなか、インフレが3月に加速したことで、トルコリラに下落圧力が加わりました。

国民投票の不透明感などを背景に、トルコリラは上値が重い展開になりそうです。トルコリラ/円は、過去最安値である28.99円に近づく可能性もあり、注意が必要です。

(アナリスト 八代和也)

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