市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/04/04 15:38RBAは政策金利据え置き。労働市場の軟化への言及が豪ドル安材料に

[レビュー]

4日東京時間の外国為替市場では、円が強含み。一時、米ドル/円は110.38円、NZドル/円は77.08円へと下落しました。日経平均の下落が円買いの支援材料となりました。

豪ドルは軟調。一時、豪ドル/円は83.57円、豪ドル/米ドルは0.7567米ドルへと下落しました。RBA(豪準備銀行)が声明で、労働市場の軟化に言及したことが重石となりました。


[これからの展開]

RBAは本日(4日)、政策金利を過去最低の1.50%に据え置くことを決定しました。

声明では、豪労働市場への見方が前回3月からやや弱くなりました。声明では、「労働市場の状況を示す一部指標が最近軟化した」と指摘。「特に、失業率が若干上昇し、雇用の伸びは控えめだ」としました。前回は「労働市場の指標は引き続きマチマチで、国内の雇用状況には依然かなりのバラツキがみられる」でした。

インフレに関する文言は、前回から大きな変化がありませんでした。声明では、「総合インフレ率は2017年の間に2%を上回る見通し」としつつも、「労働コストの伸びが引き続き抑制されるなか、基調インフレ率の上昇はそれよりもやや緩やかになるとみられる」としました。

住宅市場については、前回と同様に、「状況は地域によってかなりの差異がみられる」「一部の市場は強い状況で、価格が大幅に上昇している」との見方が示されました。家計の収入を上回るペースで家計の借り入れが増加していると指摘する一方、「国内市場においてインタレスト・オンリー・ローン(利息のみの返済が可能な融資)への依存度が低下していることは前向きな進展だ」としました。

RBAは声明の最後を、「入手可能な情報を考慮すると、理事会は今回の会合で政策スタンスを維持することが、持続可能な経済成長およびインフレ目標の達成と一致していると判断した」と締めくくり、これまでと同様に先行きの金融政策について言及しませんでした。

堅調な豪経済や住宅価格の上昇を背景に、市場ではRBAが来年利上げに転じるとの見方があります。

豪州の3月コアロジック住宅価格は前年比+12.9%と、2月の+11.7%から上昇率が加速。2010年5月以来の強い伸びを記録しました。APRA(豪健全性規制庁)やASIC(豪証券投資委員会)は住宅価格の上昇を抑えるために、それぞれ3月31日と4月3日にインタレスト・オンリー・ローン(IOローン)の規制強化策を発表。主要銀行はIOローン金利を引き上げました。RBAは、これら一連の措置が住宅市場に与える影響をしばらく見極めるとみられます。住宅市場の過熱に対応するために利上げに踏み切る可能性は低下したと考えられます。

加えて、今回の声明で労働市場の一部指標の軟化に言及されました。来週木曜日(13日)に豪州の3月雇用統計が発表されます。それが弱ければRBAの利上げ期待はさらに後退するとみられます。その場合、豪ドルにとって重石となりそうです。

(アナリスト 八代和也)

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