市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/03/17 15:0616日、トルコ中銀が後期流動性貸出金利を引き上げ。17-18日、G20財務相・中央銀行総裁会議開催

[レビュー]

17日東京時間の外国為替市場は、小動き。米ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(16日)のNY終値水準での“もみ合い”でした。主要な経済指標発表がなく、手掛かり材料に乏しいなか、G20財務相・中央銀行総裁会議を前に、様子見ムードが強まりました。


[これからの展開]

TCMB(トルコ中銀)は昨日(16日)の政策会合で、1週間物レポ金利(主要政策金利)、翌日物借入金利、翌日物貸出金利をいずれも据え置きました。一方で、後期流動性貸出金利を11.00%から11.75%へ、0.75%引き上げました。後期流動性貸出金利は本来、金融機関が資金不足を回避するための最終手段として用意されている例外的な資金供給金利であり、1月半ば頃から短期市場金利の事実上の上限として機能しています。これにより、1月初めに8.5%前後だった短期市場金利(翌日物銀行間金利)は、足もと11%強で推移しています。

TCMBは声明で、「ここ数か月間のコスト上昇圧力や食品価格のボラティリティが、インフレ率の急激な上昇をもたらした」と指摘。インフレ率の著しい上昇が短期的に続くとの見通しを示したうえで、「インフレ見通しの悪化を抑えるために、金融政策の引き締めを強化することを決定した」と説明しました。

トルコの2月CPI(消費者物価指数)は前年比+10.13%と、1月の+9.22%から上昇率が加速。2012年4月以来の強い伸びとなり、TCMBのインフレ目標(+5%、その±2%が許容範囲)から一段と上方にかい離しました。一方で、エルドアン大統領は景気支援のためにTCMBに対して利下げを繰り返し求めています。1週間物レポ金利、翌日物借入金利、翌日物貸出金利を据え置くことでエルドアン大統領に一定の配慮をしつつ、インフレ圧力に対応するために後期流動性貸出金利を引き上げたとみられます。

TCMBは声明で、「物価安定という目標のために利用可能なすべての手段を使う」と表明。「インフレ見通しが著しく改善されるまで金融政策の引き締めスタンスを維持する」と強調し、「インフレ期待や企業の価格決定行動、そしてインフレに影響を及ぼすその他の要因を注視し、必要に応じて一段の金融引き締めを行う」としました。

TCMBが主要政策金利を据え置きつつも、後期流動性貸出金利を引き上げて事実上の利上げに踏み切ったことは、トルコリラの下支え材料となりそうです。


(出所:Bloombergより作成)

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G20(主要20か国)財務相・中央銀行総裁会議が17-18日の2日間、ドイツのバーデンバーデンで開催されます。今回のG20には、米国のムニューシン財務長官が2月の就任後初めて参加します。

G20では、保護主義への対応が協議されます。米国の経済政策や各国の為替政策について議論される可能性もあります。

保護主義については、昨年7月のG20声明で「あらゆる保護主義に反対する」と表明しました。ただ、今回の声明草案では、この文言が削除されたとの報道があります。

各国の財務相や中央銀行総裁の発言も含めて、G20が週明け月曜日(20日)の為替市場に影響を与える可能性があり、注意が必要です。

(アナリスト 八代和也)

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