市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2017/01/04 14:46中国をめぐるニュースで豪ドルが上昇。トルコリラ/円は引き続き注意が必要

[レビュー]

4日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが強含み。豪ドル/円や豪ドル/米ドルは、それぞれ85円台半ば、0.72米ドル台半ばへと一時上昇しました。「中国当局が人民元の支援や資金流出を抑制するための選択肢を検討している」との一部報道を受けて、人民元の一段安や中国国外への資金流出懸念が緩和。豪州は中国と経済的な結びつきが強いことから、豪ドルの支援材料となりました。

一方、NZドルは方向感に欠ける展開。NZドル/円やNZドル/米ドルは、昨日NY終値水準での“もみ合い”となりました。


[これからの展開]

トルコリラは昨日(3日)、対米ドルで一時3.6トルコリラ台へと下落、過去最安値を更新しました。

トルコリラに下落圧力が加わっている背景として、以下が挙げられます。
(1)エルドアン大統領の一段の独裁化懸念。大統領の権限強化を目的とする憲法改正案の賛否を問う国民投票が今年(2017年)春に実施される可能性があります。
(2)テロの頻発。トルコ最大都市のイスタンブールで1月1日、銃乱射事件が発生しました。
(3)与党AKP(公正発展党)が2017年1月18日に期限切れとなる「非常事態宣言」を延長する方針であること。

これに加えて、トルコのインフレ加速がトルコリラへの下落圧力をさらに強める可能性もあります。1月3日に発表された12月のインフレ率は、CPI(消費者物価指数)が前年比+8.53%、コアCPIが同+7.48%となり、それぞれ11月の+7.00%、+6.99%から上昇率が加速。いずれも市場予想の+7.60%、+7.13%を上回りました。トルコリラ安や原油価格の上昇、たばこ製品やアルコール飲料への増税が影響しました。

トルコリラ安が対米ドルで一段と進み、インフレが加速するなか、市場の関心は今後、TCMB(トルコ中銀)の対応に向く可能性があります。

エルドアン大統領の経済顧問であるゲディキリ氏は、12月のインフレ率発表後、「いま利上げを行うことは、経済の回復を壊すだろう」「インフレに対応するため、1月の会合でTCMBに利上げを行うように求めるのは、市場を傷つける決まり文句だ」とし、TCMBに利上げをしないように暗に求めました。

そのなかで、TCMBが1月24日の次回会合で利上げに踏み切るのかどうかに注目です。

今後は、TCMBの利上げを催促するような動き(トルコリラ売り圧力を一段と強める)となる可能性もあります。トルコリラは対米ドルで、過去最安値をさらに更新するかもしれません。トルコリラ/円は、堅調な米ドル/円に支えられて、比較的落ち着いた値動きになっているものの、引き続き注意が必要です。

(アナリスト 八代和也)

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