市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/12/30 15:51憲法改正の行方が2017年のトルコリラに大きな影響!?

[レビュー]

30日東京時間の外国為替市場では、ユーロが上昇。一時、ユーロ/円は123.89円、ユーロ/米ドルは1.0649米ドルへと上昇しました。年末で市場参加者が減少し薄商いのなか、ユーロ/米ドルが上値のストップロスを巻き込みながら急伸。ユーロ/円は、ユーロ/米ドルの上昇にけん引されました。

一方、日経平均の反発を背景に、円は軟調に推移。米ドル/円や豪ドル/円、NZドル/円は上昇しました。

日経平均の終値は前日終値比30.77円安の19,114.37円。一時1万9000円を割り込んだ後に反発。午後に入ると、前日終値比プラス圏に転じる場面もあったものの、大引けにかけて値を下げました。


[これからの展開]

2017年のトルコリラは、トルコの政治動向、とりわけ憲法改正の行方が最大の相場材料になりそうです。

トルコの与党AKP(公正発展党)は2016年12月10日、大統領の権限拡大を目的とする憲法改正案を議会に提出。憲法改正案には、「首相を廃止して行政権を大統領に集中させる」「政令を発令する権限、および副大統領や閣僚の指名権を大統領に与える」などが盛り込まれています。

憲法の改正には、議会定数(550)の3分の2(367)以上の議員が賛成して大統領が承認する、あるいは5分の3にあたる330以上の賛成で可能となる国民投票で過半数の支持を得る必要があります。AKPの議席は330に届きませんが、野党のMHP(民族主義者行動党)が協力する姿勢を示しています。両党合わせても367に足りないものの、330を上回ることから、国民投票が実施される可能性が高いとみられます。

議会が憲法改正案を承認(330以上367未満の場合)後、60日以内に国民投票が実施されます。ジャニクリ副首相は、AKPが2017年3〜5月の国民投票実施を計画していることを明らかにしました。

市場は、憲法改正によってエルドアン大統領が独裁色を一段と強めることを懸念。それがトルコリラへの下落圧力となっています。

国民投票が実施される可能性が高いことは、トルコリラにとってマイナス材料と考えられます。

市場の関心は今後、「国民投票実施の有無」から「憲法改正が実現するのか?」へと移るとみられます。国民投票の投票日が決まれば、それに近づくにつれて各メディアから世論調査が発表されることも考えられます。世論調査で賛成多数になるなどして憲法改正がより現実味を増せば、トルコリラには一段の下落圧力が加わる可能性があります。トルコリラは今後、国民投票をめぐる報道に一層の注意が必要です。

*「オセアニア・レポート」は、本日が2016年最後です。1年間ご愛読いただき、誠にありがとうございました。2017年1月3日(火)より再開します。新年もよろしくお願いいたします。それでは良いお年をお迎えください。

(アナリスト 八代和也)

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