市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/12/28 16:54トルコ中銀の議事録は、追加利上げに含み

[レビュー]

28日東京時間の外国為替市場では、米ドル/円が一時117.71円へと上昇しました。日本の実需筋による年末・月末の米ドル買い需要との見方があります。米ドル/円にけん引されて、クロス円も上昇。一時、豪ドル/円は84.81円、NZドル/円は81.49円へと上昇しました。

日本の11月鉱工業生産(速報値)は前月比+1.5%、前年比+4.6%と、それぞれ市場予想の+1.7%、+4.7%を若干下回りましたが、為替市場に大きな反応はみられませんでした。


[これからの展開]

TCMB(トルコ中銀)は12月27日、20日の政策会合の議事録を公表。20日の会合では、3つの政策金利(1週間物レポ金利、翌日物貸出金利、1週間物借入金利)をすべて据え置くことが決定されました。

議事録では、トルコ経済について、「GDPのデータ(*)が示すほど減速していない」と指摘。7-9月期のマイナス成長は、7月半ばのクーデター未遂事件や、宗教上の祝日が増えたことによる労働日数の減少の影響と分析し、内需は2016年10-12月期から上向くとの見解を示しました。ただし、最近の世界および地政学的な動向が金融環境に及ぼす影響や、観光業の見通しに明るい兆候がみられないこと挙げて、景気回復のペースには下振れリスクが残ると指摘しました。*トルコの7-9月期のGDP(季節調整前)は、前年比マイナス1.8%でした。

政策メンバーは、「最近の世界的な不透明感の高まりによる為替レートの動向や原油価格の上昇は、インフレ見通しに上振れリスクをもたらす」と指摘。最近の価格変動や最新の気象予報が今後数か月、食料価格に上向きのリスクを加えるものの、「総需要(の鈍化)によって抑制される」との見方を示しました。そのうえで、「2017年のインフレ見通しに対するこれらの要因の正味の影響を判断するために、今後の動向を注意深く監視する」と表明しました。

2016年10月にいったん休止した、「単純化(3つの政策金利を最終的に一本化する措置)」については、「“適切な時期に完了する”との立場を維持する」と強調。単純化の方向や次回措置のタイミングは、インフレや金融安定の動向次第としました。

今回の議事録では、今後の金融政策に関して新たな手掛かりは提供されませんでした。TCMBは2016年11月、為替レートの動向がインフレ見通しに対して上振れリスクをもたらすとして、2014年1月以来の利上げに踏み切りました。今後、トルコリラ安が一段と進むなどしてインフレ見通しが悪化する場合、TCMBは追加利上げに踏み切る可能性があります。

(アナリスト 八代和也)

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