市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/12/21 13:4920日、トルコ中銀は政策金利を据え置き。トルコリラが売られやすい地合いに変化なし?

[レビュー]

21日東京時間の外国為替市場では、米ドルが弱含み。米ドル/円が若干下落する一方、ユーロ/米ドルやNZドル/米ドルが上昇しました。利益確定の米ドル売りと考えられます。

乳製品電子オークション(GDT)が20日に開催され、乳製品国際価格の指標となるGDT価格指数が前回12月6日から若干低下(1082→1076へ)。本日(21日)発表されたNZの11月貿易収支は7.05億NZドルの赤字と、赤字額が市場予想の5億NZドルを上回りました。ただ、GDTや貿易収支は、それほど材料視されませんでした。


[これからの展開]

TCMB(トルコ中央銀行)は20日の会合で、3つの政策金利をすべて据え置きました。

<TCMBの政策金利結果>
 ・1週間物レポ金利(主要政策金利): 8.00%
 ・翌日物貸出金利: 8.50%
 ・翌日物借入金利:7.25%

声明では、「最近の世界的な不透明感の高まりによる為替レートの動向、および原油価格の上昇が、インフレ見通しに上振れリスクをもたらす」と指摘。一方で、「総需要の動向がこれらの影響を抑制する」との見方を示しました。トルコ経済は、今年7月に発生したクーデター未遂事件の影響で、7-9月期にマイナス成長へと転落。マイナス成長を記録したのは、2009年7-9月期以来、7年ぶりです。

TCMBは今年11月、トルコリラ安がインフレ見通しに上振れリスクをもたらすとして、2014年1月以来、2年10か月ぶりに利上げを実施しました。その後、トリコリラは対米ドルで過去最安値を更新したものの、トルコ経済の低迷を踏まえて、TCMBは11月の利上げ効果を見極めるため「据え置き」の判断を下したと考えられます。

トルコの与党AKP(公正発展党)は12月10日、エルドアン大統領の権限を強化する憲法改正案を議会に提出。国民投票は来年春にも実施される可能性があります。市場は憲法改正によって、エルドアン大統領が独裁色を一段と強めることを懸念しています。

こうした国内要因に加えて、FRB(米連邦準備理事会)が来年、利上げを複数回行うとの観測があるため、トルコリラはとりわけ対米ドルで下落圧力が加わりやすいとみられます。

市場では、TCMBはいずれ利上げが必要になるとの見方が根強くあり、今後はTCMBの利上げを催促するような動き(トルコリラ売り)になる可能性もあります。トルコリラ/円は、米ドル/円の上昇に支えられて、比較的落ち着いた値動きになっているものの、引き続き注意が必要です。

(アナリスト 八代和也)

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