市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/12/08 15:28NZドルが上昇。RBNZ(NZ準備銀行)総裁が利下げ打ち止めを示唆

[レビュー]

8日東京時間の外国為替市場では、NZドルが上昇。NZドル/円が一時81.95円と約11か月ぶりの高値をつけ、NZドル/米ドルも約1か月ぶりに0.72米ドル台へと上昇する場面がありました。RBNZ(NZ準備銀行)のウィーラー総裁が利下げ打ち止めを示唆し、NZ財務省が同国の成長率見通しを上方修正したことが、NZドルを押し上げました。

<NZ財務省によるNZのGDP成長率見通し>
 ( )は従来予想
 ・2016/17年度:+3.5%(+3.3%)
 ・2017/18年度:+3.4%(+3.0%)

ドル/円は一時113.14円へと下落しました。利益確定売りとみられます。


[これからの展開]

RBNZは本日(8日)、ウェブサイトにグレイマウス(NZ)で行われたウィーラー総裁の講演の内容を掲載。その中で、ウィーラー総裁は、利下げ打ち止めの可能性を示しました。

NZのCPI(消費者物価指数)上昇率は2014年10-12月期以降、RBNZのインフレ目標(+1〜3%)を下回る状態が続いており、今年7-9月期は前年比+0.4%。インフレ圧力の弱さを背景に、RBNZは2015年6月以降、前回今年11月の会合まで計7回の利下げを実施しました。

ウィーラー総裁は講演で、「CPI上昇率が最も低い時はおそらく過ぎ去った」と指摘。世界的な商品価格の改善に支えられて、今年10-12月期に+1〜3%の目標レンジ内に戻るとの見解を示しました。

政策金利については、11月の金融政策報告で、当面は現在の水準で推移する可能性があることを示したとし、「現時点では、世界や国内の動向はRBNZの金融政策の方向性に関する見解を変えるものではない」と強調。「予想される政策設定が、インフレ率が目標レンジ中央値付近で安定するのに十分な経済成長を実現するのを助けるだろう」としました。ただし、RBNZの政策金利見通しは、条件にかなり左右されると指摘。貿易相手国の成長やインフレ、原油や乳製品価格の動向、為替レート、移民や住宅価格の上昇などを挙げて、異なる状況になれば異なる政策の道筋を示す可能性もあり、リスクの全体的なバランスは下向きとの見方を示しました。

NZドルについては、「交易条件が6%低下し、政策金利を7回引き下げたのにもかかわらず、TWI(貿易加重指数)は、(利下げを開始した)2015年6月の水準よりも高い」と指摘し、「NZドルは、経済のファンダメンタルズが適切と示唆する水準を上回っている」との見解を示しました。一方で、NZドルに対する上向き圧力の流れはついに転換している可能性があるとしました。

NZドルのTWI

*17通貨バスケット
(出所:RBNZ資料より作成)

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市場では、FRB(米連邦準備理事会)は来週のFOMC(連邦公開市場委員会)で1年ぶりに利上げを実施し、来年も利上げを継続するとの見方が有力です。先進国の中でFRBの次に利上げに踏み切るのは、OIS(翌日物金利スワップ)を参考にすると、市場はRBNZの可能性が高いとみているようです。OISが12月7日時点で織り込む、来年9月までにRBNZが利上げを行う確率は36.2%。一方、他の中央銀行の利上げの確率は、RBAが8.8%(来年7月まで)、BOCが22.7%(同)、ECBが8.8%(同)、BOEが13.7%(来年8月まで)。こうした金融政策見通しの差が、NZドルを下支えしそうです。NZドルは今後、堅調に推移する可能性があります。

*RBA:豪準備銀行、BOC:カナダ銀行、ECB:欧州中央銀行、BOE:英イングランド銀行

(アナリスト 八代和也)

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