市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/11/17 15:04トルコリラ/円は対米ドルでのリラ一段安の影響に要注意

[レビュー]

17日東京時間の外国為替市場は、方向感に欠ける展開。ドル/円やクロス円はおおむね昨日(16日)NY終値水準での“もみ合い”となりました。FRB(米連邦準備理事会)のイエレン議長の議会証言を今夜に控え、様子見ムードが漂いました。

日銀が初めて「指値オペ」を通知したと伝わったことで、ドル/円が一時109.21円付近へと上昇する場面がありました。豪州の10月雇用統計が発表されましたが、豪ドルに大きな反応はみられませんでした。


[これからの展開]

トルコリラは先月初め以降、対米ドルで下落基調が鮮明です。昨日(16日)、対米ドルで過去最安値を更新しました。

その背景として、トルコ国内の政治不安や国外への資金流出懸念が挙げられます。

トルコ政府は10月3日、7月半ばのクーデター未遂事件後に発令した非常事態宣言を10月19日から3か月間延長することを決定。非常事態宣言下では、議会の審議を経ずに(エルドアン)大統領を議長とする閣議で政令を制定することが可能です。

その後、ユルドゥルム首相ら政府閣僚が相次いで憲法を改正するための国民投票実施に前向きな姿勢を示しました。与党AKP(公正発展党)は憲法改正によってエルドアン大統領の権限を強化することを目指しています。

さらに、トルコ当局は11月4日、対テロ捜査に関連した検察からの出頭要請を拒否したとして、クルド系野党のHDP(国民民主主義党)の共同党首2人を含む同党国会議員12名を拘束、うち7名を逮捕しました。

加えて、先週の米大統領選挙後、インフレ懸念から米国の10年債利回りが上昇し、FRB(米連邦準備理事会)の利上げペースが速まるのでは?との観測が浮上しました。トルコは経常収支が慢性的に赤字であり、その穴埋めに国外からの資金流入に依存しています。そのため、FRBが利上げすれば、トルコに流れていた資金が逆流(流出)し、トルコは経常赤字を埋めるのが難しくなるとの懸念があります。

こうした状況を考えると、トルコリラは対米ドルで今後一段と下落する可能性があります。一方、トルコリラ/円は、ドル/円の上昇に支えられて比較的落ち着いた値動きになっています。ただ、ドル/円の上昇が一服する、あるいは下落に転じた場合、トルコリラ/円は再び下値を試す可能性もあり、引き続き注意が必要です。


(出所:Bloombergより作成)

(アナリスト 八代和也)

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