市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/11/11 16:28豪ドル/米ドルはレンジで上下を繰り返しそう

[レビュー]

11日東京時間の外国為替市場では、米ドルが弱含み。一時、ドル/円は106.26円へと下落し、ユーロ/ドルは1.0920ドル、豪ドル/米ドルは0.7625米ドル、NZドル/米ドルは0.7227米ドルへと上昇しました。週末ということもあり、利益確定のドル売りとみられます。

麻生財務相は会見で、米大統領選挙投票日以降の為替市場について、「1〜2日で為替(=ドル/円)が5円も動くのは異常だ」と指摘。為替の安定が重要であり、「為替が急激に乱高下することは望ましくない」と述べました。


[これからの展開]

豪ドル/米ドルは11月8日、一時0.7775米ドルへと上昇し、約6か月半ぶりの高値をつけました。主力輸出品である鉄鉱石価格の上昇や、RBA(豪準備銀行)の利下げ打ち止め観測が浮上したことが、豪ドルの支援材料となり、豪ドル/米ドルを押し上げました。

その後、米10年債利回りの上昇を背景に米ドルが強含んだことから、豪ドル/米ドルは反落。足もとは0.76米ドル前後で推移しています。米10年債利回り上昇の背景には、米大統領選挙で共和党候補のトランプ氏が勝利し、同時に行われた議会選挙で共和党が上下院の両院で過半数を獲得したことがあります。これにより議会運営が安定し、トランプ氏の大統領就任後に大規模な財政出動策が打ち出されるとの思惑が浮上しました。

豪ドル/米ドルは今年7月下旬以降、0.77米ドルに入ると反落する(下図の緑丸)、反対に0.75米ドルを下回ると反発する(下図の橙丸)状況が続いてきました。

中国の青島に荷揚げされる鉄鉱石(鉄分62%)価格は昨日(10日)、1トン=74.12米ドルと、2年ぶりの高値を記録。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)を参考にすると、RBAの金融政策に対する市場のメインシナリオは「少なくとも来年6月まで据え置き」です。こうした状況は豪ドルにとってプラス材料です。

一方で、米政府が大規模な財政出動策を行えばインフレが加速し、FRB(米連邦準備理事会)の利上げペースが速まるのでは?との観測が一部にあるようです。これは米ドルのプラス材料と考えられます。

豪ドルと米ドルの双方にプラス材料があることから、豪ドル/米ドルは“0.74米ドル台〜0.77米ドル台”のレンジで、今後も上下を繰り返す可能性があります。

豪ドル/米ドル(日足、2016/5/12〜)

(出所:M2Jチャート)

(アナリスト 八代和也)

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