市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/11/07 15:12トルコリラ/円が4日、過去最安値を記録。一段安の可能性があり、注意が必要

[レビュー]

7日東京時間の外国為替市場では、円が軟調に推移。一時、ドル/円は104円台半ば、豪ドル/円は80円台、NZドル/円は76円台へと上昇しました。米大統領選挙の民主党候補であるクリントン氏の私用メール問題をめぐり、米FBI(連邦捜査局)のコミー長官が、訴追を求めない考えを示したことで、米国の先行き不透明感がやや後退し、リスク回避の動きが和らぎました。

NZ統計局は、データの誤った処理が判明したとして、NZの7-9月期CPI(消費者物価指数)を前年比+0.2%から+0.4%へと訂正。ただ、NZドルに大きな反応はみられませんでした。


[これからの展開]

トルコリラ/円は4日、一時32.43円へと下落し、過去最安値を更新しました。トルコリラは対米ドルや対ユーロでも4日に最安値を記録しており、トルコリラ売り圧力が強まっています。

トルコリラ下落の背景には、主にエルドアン大統領の一段の独裁化や治安に対する懸念があります。

トルコ政府は10月3日、非常事態宣言を10月19日から3か月間延長すると発表。非常事態宣言下では、議会の審議を経ずに(エルドアン)大統領を議長とする閣議で政令を制定することが可能です。

トルコ当局は11月4日、対テロ捜査に関連した検察からの出頭要請を拒否したとして、クルド系野党のHDP(国民民主主義党)の共同党首2人を含む同党国会議員12名を拘束、うち7名を逮捕しました。拘束の数時間後、クルド人が住民の大半を占めるディヤルバクルで爆発事件が発生。イスタンブールなどで5日、HDP党首らの拘束や逮捕に反発するデモが発生し、警察当局は催涙弾や放水車を使って対抗しました。

トルコリラには引き続き、下落圧力が加わりやすいとみられます。明日8日の米大統領選挙の結果次第では、リスク回避の動き(円買い)が強まる可能性があります。その場合、リラ売り材料に円買い材料も加わるトルコリラ/円は、一段と下落する可能性があり、注意が必要です。

(アナリスト 八代和也)

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