市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/11/02 14:20米大統領選をめぐる不透明感を背景に、円が堅調に推移。雇用統計を好感し、NZドルが底堅い展開

[レビュー]

2日東京時間の外国為替市場では、円が堅調に推移。一時、ドル/円は103円台半ばへと下落、豪ドル/円は79円を割り込みました。米ワシントン・ポストとABCの最新の世論調査で、米大統領選挙の共和党候補トランプ氏の支持率が民主党候補クリントン氏を逆転したことで、選挙をめぐる不透明感から、リスク回避的な円買い圧力が強まりました。

NZドルも底堅い展開。堅調なNZの7-9月期雇用統計が支援材料となり、NZドル/米ドルは一時0.72米ドル台へと上昇しました。


[これからの展開]

昨日(1日)開催された乳製品電子オークション(GDT)で、乳製品国際価格の指標となるGDT価格指数は、前回10月18日の898から1001へと大幅に上昇。2014年7月以来、2年4か月ぶりの高水準となりました。

本日(2日)発表されたNZの7-9月期雇用統計は、失業率が4.9%、雇用者数増減が前期比+1.4%、前年比+6.1%と、それぞれ市場予想の5.1%、+0.5%、+5.4%より強い結果でした。

今回のGDTや雇用統計は、NZ経済にとって明るい材料と言えそうです。ただ、それでもRBNZ(NZ準備銀行)は来週木曜日(10日)の会合で、0.25%の追加利下げを決定する可能性が高いとみられます。RBNZの今年3月と8月の利下げは、低インフレやインフレ期待の低下への懸念が主因だったためです。

NZの7-9月期のCPI(消費者物価指数)は前年比+0.2%と、4-6月期の+0.4%から上昇率が鈍化。RBNZのインフレ目標(+1〜3%)の下限である+1%からさらに離れました。また、本日発表されたRBNZ(NZ準備銀行)のインフレ期待調査では、CPI(消費者物価指数)の今後2年間の上昇率予想は+1.68%と、前回8月の+1.65%とほぼ同じでした。RBNZの利下げにもかかわらず、インフレ期待は2月の+1.63%からそれほど高まっていません。

ただし、11月10日のRBNZの利下げ観測を背景に、NZドルが一段と下落する状況ではなさそうです。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)では、1日時点で11月に0.25%の利下げが行われる確率が86.5%織り込まれています。利下げはかなり織り込んだと言えそうです。乳製品価格の上昇や堅調な雇用統計を受けて、RBNZの利下げは11月で打ち止めとの見方が市場で高まれば、NZドルは上昇基調を強める可能性があります。

(アナリスト 八代和也)

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