市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/10/28 14:48来週の豪ドルとNZドルの注目材料は?

[レビュー]

28日東京時間の外国為替市場は、小動き。ドル/円やクロス円は、おおむね昨日(27日)NY終値水準を挟んでの“もみ合い”でした。

日本の9月CPI(消費者物価指数)や豪州の10-12月期PPI(生産者物価指数)が発表されたものの、為替市場に大きな反応はみられませんでした。

<日本の経済指標>
 ( )は市場予想
 *いずれも9月分、前年比
 ・CPI:-0.5%(-0.5%)
 ・コアCPI:-0.5%(-0.5%)
 ・コアコアCPI:0.0%(+0.1%)

<豪州の経済指標>
 *市場予想なし、7-9月期
 ・PPI(前期比):+0.3%
 ・PPI(前年比):+0.5%

[これからの展開]

来週の豪ドルは、火曜日(11月1日)のRBA(豪準備銀行)政策金利発表が最大の材料になりそうです。

RBAは低インフレを理由に、今年5月と8月にそれぞれ0.25%の利下げを実施。9月と10月の直近2会合は政策金利を過去最低の1.50%に据え置きました。政策金利は今回も据え置かれそうです。

11月の会合で重要な判断材料になるとみられていた豪州の7-9月期のインフレ率は、CPI(消費者物価指数)が前年比+1.3%と、17年ぶりの低い伸びを記録した4-6月期の+1.0%から上昇率が加速。一方で、RBAがCPIとともに重視するとされる基調インフレ率(トリム平均と加重中央値の平均値)は同+1.50%と、4-6月期の+1.60%から若干鈍化しました。

7-9月期のCPIや基調インフレ率は、いずれもRBAのインフレ目標(+2〜3%)を下回っており、RBAが今後、追加利下げに踏み切る可能性は依然として残っているとみられるものの、CPI上昇率が4-6月期から高まったことを踏まえると、RBAが利下げを急ぐ必要性は低いと考えられます。

市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)では、RBAが11月の会合で政策金利を据え置く確率が95.8%織り込まれています(10月27日時点)。「据え置き」は、すでに市場にほぼ完全に織り込まれているとの見方もできます。

焦点は、声明で“先行きの金融政策について新たな手掛かりが提供されるのか?”になりそうです。政策金利が据え置かれて、声明で先行きの金融政策について言及されなければ、豪ドルはそれほど反応しない可能性があります。

NZドルは、火曜日(11月1日)のGDT(乳製品電子オークション)や、水曜日(2日)のRBNZ(NZ準備銀行)のインフレ期待調査が材料になりそうです。

とりわけ、インフレ期待の低下がRBNZの今年2回(3月と8月)の利下げの主因だったため、11月2日のインフレ期待調査の結果が次回11月10日の会合におけるRBNZの政策判断に大きな影響を与える可能性があります。

今回発表されるインフレ期待調査の結果が弱ければ、11月会合でRBNZが0.25%の利下げを決定するとの見方が一段と強まりそうです。ただ、それを材料にNZドルが一段と下落する状況ではないかもしれません。OISでは、10月27日時点で11月の利下げの確率が87.7%織り込まれています。利下げは市場にほぼ織り込まれているだけに、インフレ期待調査が弱い結果の反応よりも、強い結果の反応(RBNZの利下げ観測後退→NZドル上昇)の方が大きくなるかもしれません。

(アナリスト 八代和也)

------------------------------------


※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

「市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ