市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/10/19 15:50NZドル/米ドルは0.72米ドルを上回れば、以前のレンジに戻る可能性も!?

[レビュー]

19日東京時間の外国為替市場は、小動き。おおむね昨日NY終値水準を挟んでの“もみ合い”となりました。中国の一連の経済指標が市場のほぼ予想通りとなり、日経平均が1万6900円台後半で膠着するなか、手掛かり材料難から様子見ムードが漂いました。

<中国経済指標>
( )は市場予想

 ・7-9月期GDP:前期比+1.8%、前年比+6.7%(+1.8%、+6.7%)
 ・9月小売売上高:前年比+10.7%(+10.7%)
 ・9月鉱工業生産:+6.1%(+6.4%)


[これからの展開]

本日(19日)、NZドル/米ドルは一時0.7231米ドル、NZドル/円は74.99円へと上昇し、それぞれ約2週間、約1か月ぶりの高値をつけました。

NZドル上昇の背景には、昨日(18日)発表されたNZの7-9月期CPI(消費者物価指数)が市場予想をやや上回ったことや、乳製品価格の上昇があります。NZの7-9月期CPIは前年比+0.2%(市場予想:+0.1%)。同日開催されたGDT(乳製品電子オークション)で、乳製品国際価格の指標となるGDT価格指数は898でした(前回4日:885)。

市場では、RBNZ(NZ準備銀行)が次回11月10日の会合で0.25%の追加利下げに踏み切るとの見方が有力です。その見方は、CPIの発表前と後で大きく変わっていないようです。市場の金融政策見通しを背景するOIS(翌日物金利スワップ)が10月18日時点で織り込む、RBNZが11月の会合で0.25%の利下げを行う確率は81.2%。17日時点は84.9%でした。

11月利下げ観測に大きな変化がない要因として、7-9月期のCPI上昇率がRBNZの見通し通りだったことが挙げられます。RBNZは8月の金融政策報告で、7-9月期のCPI上昇率が前年比+0.2%になると予想。その見通しをもとに、声明で「われわれの現在の予想や想定は、将来のインフレ率が目標レンジの中央付近で確実に落ち着くようにするために、追加の政策緩和が必要になることを示唆している」と、追加利下げの可能性を示しました。7-9月期のCPI上昇率が見通し通りで、インフレ圧力の弱さが確認されたことで、RBNZは11月の会合で0.25%の追加利下げに踏み切る可能性が大きいとみられます。

RBNZの追加利下げ観測は、NZドルにとってマイナス材料です。ただし、上述のOISを参考にすれば、11月の利下げはかなり織り込まれたと見ることができます。RBNZの11月利下げ観測を材料にNZドルが売られる状況にはなりにくいかもしれません。

NZドル/米ドルは今年8月半ば以降1か月半にわたるレンジ(0.72〜0.74米ドル)の下限付近まで上昇してきました。利益確定売り圧力が強まって、NZドル/米ドルは伸び悩む、あるいはいったん下落する可能性があります。一方、NY終値で0.72米ドルをしっかりと上回った場合、以前の0.72〜0.74米ドルのレンジへと戻る可能性もあります。

(アナリスト 八代和也)

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