市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/09/08 14:45南ア中銀総裁「利上げサイクル終了の観測は時期尚早」

[レビュー]

8日東京時間の外国為替市場は、方向感に欠ける展開。ドル/円やクロス円は総じて昨日NY終値を挟んで“もみ合い”となりました。日銀の中曽副総裁が講演で、マイナス金利について「金融機関の収益に与える影響が日本は相対的に大きい」「心理を通じ、悪影響を与える可能性に留意が必要」と述べたことで、円買いに反応する場面があったものの、一時的でした。

日本の4-6月期GDP改定値は前期比年率+0.7%と、速報値の+0.2%から上方修正されましたが、為替市場に大きな反応はみられませんでした。

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BOC(カナダ銀行、中央銀行)は昨日(7日)、政策金利を9会合連続で0.50%に据え置くことを決定。声明では、今回の決定について「リスクバランスは、現在の金融政策スタンスが適切となる領域にとどまっており、BOC理事会は政策金利を0.50%に据え置くことが適切と判断した」としました。

カナダ経済が4-6月期にマイナス成長(前期比年率-1.6%)に陥ったことについては、5月にアルバータ州で発生した森林火災が原油生産などに打撃を与えたことが要因と指摘。森林火災からの復興や政府の刺激策に後押しされて、国内経済は年後半に大幅に持ち直すとの見通しを示しました。

7月の輸出の力強さは心強いとする一方、過去数か月にわたる低迷によって「経済活動は7月時点の予想を下回る可能性がある」と指摘。また、「インフレ見通しに対するリスクは、若干下向きに傾いている」としました。


[これからの展開]

SARB(南アフリカ準備銀行、中央銀行)のクガニャゴ総裁は7日、ポート・エリザベスで講演。高止まりするCPI(消費者物価指数)上昇率について、「問題は食品価格によってもたらされている」と指摘する一方、「食品価格はゆっくりと下落する」との見解を示しました。

クガニャゴ総裁は、「若干のランド安は適切かつ必要だった」としつつも、「SARBは通貨の下落を無視することはできない」と明言。最近のランド安は、国内に対する懸念を反映しているとの見解を示しました。6日に発表された南アフリカの4-6月期GDP成長率については、比較的良好な数字と評価。今月22日の政策会合でGDP成長率見通しを上方修正する可能性があるとしながらも、水準は依然として低いとしました。

SARBは、食品価格の上昇やランド安を主因とするインフレ圧力と、低迷する経済の狭間で、難しい金融政策運営を迫られています。南アフリカの7月のCPI上昇率は+6.0%と、SARBのインフレ目標(+3〜6%)の上限にあります。4-6月期GDPは前期比年率+3.3%と、2014年10-12月期以来の強い伸びを記録したものの、1-3月期は1.2%のマイナス成長でした。

SARBは、今年5月と7月の直近2会合で政策金利を7.00%に据え置きました。SARBの利上げサイクルは終了したとの市場の観測について、クガニャゴ総裁は昨日(7日)の講演で、「判断するのは時期尚早だ」と述べ、「金融政策の動きはデータ次第だ」と強調しました。

SARBの今月の会合については、市場では政策金利を据え置くとの見方が有力です。ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、16人のうち12人が「据え置き」、4人が「0.25%の利上げ」を予想しています。

(アナリスト 八代和也)

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