市場調査部エクスプレス オセアニア・レポート

2016/08/11 14:45RBNZ(NZ準備銀行)が利下げを決定し、追加を示唆。NZドルの動向がカギ!?

[レビュー]

11日東京時間の外国為替市場では、NZドルが上昇。一時、NZドル/米ドルは0.73米ドル台、NZドル/円は73円台後半へと上昇しました。

RBNZ(NZ準備銀行)は、0.25%の利下げを決定。ただ、利下げはすでに織り込まれていたことや、一部に0.50%の利下げ観測があったため、利下げ幅が0.25%にとどまったことで、NZドルが買い戻されました。RBNZのウィーラー総裁は政策金利発表後の会見で、「0.50%の利下げは真剣に検討されず、正当化されなかった」と述べました。


[これからの展開]

RBNZは本日(11日)、政策金利を2.25%から0.25%引き下げ、過去最低の2.00%にすることを決定しました。

声明では、CPI上昇率(インフレ率)は7-9月期に一段と弱含んだ後、10-12月期から高まるとの見通しを示しました。「長期インフレ期待は2%でしっかりと固定されている」とする一方、「総合インフレ率の持続的な弱さは、インフレ期待を一段と押し下げるリスクがある」との見解を示しました。

NZドルに関しては、「貿易加重ベースのNZドルは、6月の金融政策報告における想定よりも著しく高い」と指摘。「通貨高が輸出および輸入の競合部門にさらなる圧力を加えており、世界的な低インフレとともに貿易財部門のマイナスのインフレ率を引き起こしている」との見解を示したうえで、「NZドル高はインフレ目標の達成を難しくする。NZドルの下落が必要」と強調しました。

先行きの金融政策については、「われわれの現在の予想や想定は、将来のインフレ率が目標レンジの中央付近で確実に落ち着くようにするために、追加の政策緩和(=利下げ)が必要になることを示唆している」と表明、追加利下げを示唆しました。

RBNZが同時に公表した金融政策報告で、政策金利の方向性の目安になると考えられている90日物銀行手形金利は、今年4-6月期の2.4%から来年半ばにかけて1.8%へ低下するとの見通しが示されました。政策金利は本日の会合で2.00%となったため、90日物銀行手形金利を参考にすると、RBNZはあと1回の利下げを想定しているとみることができそうです。

90日物銀行手形金利
 
(出所:RBNZ)

RBNZのウィーラー総裁は、政策金利発表後の会見や議会証言で、NZドル高に懸念を表明。「通貨(NZドル)の下落を望む」「利下げでNZドルに対する圧力が軽減することを望む」「為替レートが経済に与える圧力を懸念している」と述べました。

通貨高は、輸入物価を通じてインフレへの下押し圧力となります。RBNZが今後、追加利下げに踏み切るかどうかは、経済指標とともに、NZドルの動向もカギになりそうです。貿易加重ベースのNZドルは足もと76前後で推移、今回の金融政策報告では今年7-9月期に76.0、10-12月期に75.9、来年1-3月期に75.6との見通しが示されました。RBNZの見通し以上にNZドルが進む場合、そのぶん、RBNZが追加利下げに踏み切る可能性が高まるかもしれません。

(アナリスト 八代和也)

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