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2017/10/23 08:53与党圧勝が相場の支援材料となり得るのは一時的となる可能性も

(欧米市場レビュー)

20日の欧米の外国為替市場では、米ドルが堅調に推移。米上院は日本時間20日、2018年度(2017年10月-18年9月)連邦予算の大枠を定めた予算決議案を(賛成)51対(反対)49で可決しました。税制改革が進展するとの期待から、米株や米金利が上昇し、米ドル/円は一時7月14日以来となる113.53円まで上昇しました。

加ドルは軟調に推移。20日に発表された9月のCPI(消費者物価指数)は前年比+1.6%と、市場予想と一致し、8月からインフレが加速しました。一方で、同日に発表された8月の小売売上高は前月比-0.3%と、市場予想の同+0.5%に反して減少し、加ドルの下押し要因となりました。

(本日の相場見通し)

22日に投開票された衆院選では、与党が圧勝する結果となりました。自民・公明両党の獲得議席数は312議席(※)と、改憲に必要な定数の3分の2(310議席)を上回りました(※残り4議席、23日8時45分時点)。政権が安定し、アベノミクス継続下での経済政策や緩和的な金融政策が続くのと見方から、米ドル/円は堅調に推移しそうです。

ただ、衆院選の結果が米ドル/円の支援材料となり得るのは一時的かもしれません。経済政策に目を向けると、幼児教育の無償化など社会保障関連が中心です。アベノミクスが打ち出された当時と比較すると、経済政策が市場の期待に働きかける力は限定的かもしれません。

また、与党の経済政策では、2019年に予定されている消費増税に伴う増収分を幼児教育の無償化などの財源に充てるとしています。その場合、日本の財政健全化の達成は遠のきそうです。

ポリシーミックス(財政政策と金融政策の組み合わせ)では、最も通貨安になるとされる組み合わせは「財政引き締め+金融緩和」とされています。財政健全化が後退するとの見方が強まれば、ポリシーミックスの観点から、円高圧力が強まるかもしれません。

今回の衆院選では、自公両党で改憲に必要な310議席以上を獲得しました。改憲(15年に成立した安全保障関連法を前提にした「9条改憲」)に反対姿勢を示している立憲民主党が躍進し野党第1党となりましたが、希望・維新を合わせた改憲勢力は定数465議席の約8割に達しました。

今後の国会で、改憲に関する議論が加速するかもしれません。改憲議論の加速に伴い、経済政策の優先度が後退するとの見方が強まれば、米ドル/円や日本株のマイナス要因となる可能性もありそうです。

(アナリスト 根岸慎太郎)

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