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2017/09/08 09:14ドラギ総裁は10月にQE縮小開始の決定を示唆!

(欧米市場レビュー)

7日の外国為替市場では、ユーロが堅調に推移する一方で、米ドルは軟調な展開となりました。ECB理事会では、金融政策の据え置きが決定されました。ドラギ総裁は会見で、ユーロ高をけん制しました。

ただ、ドラギ総裁は同時に、ECBのQE(量的緩和)縮小の開始決定は10月になる見込みだと述べ、ユーロの上昇要因となりました。ユーロ/米ドルは一時8月29日以来となる1.2055ドルまで上昇しました。

米ドル/円は一時2016年11月15日以来となる108.00円まで下落しました。ECBは、インフレ率見通しを引き下げました。独国債利回りが低下し、米国債利回りにも下押し圧力が加わりました。

また、7日に発表された新規失業保険件数は28万9000件で2015年4月以来の高水準となりました。ハリケーン「ハービー」の被災地を中心に申請者が増加したことが背景で、ハリケーンによる経済への影響が懸念されているようです。

(本日の相場見通し)

ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、「インフレ率の中期見通しは、主にユーロの上昇を理由に引き下げられた。今後の金融政策決定においてこうした要素(ユーロ相場)を考慮に入れる必要が出てくる」とし、為替相場は金融政策運営をめぐる「不透明要因」になっているとのコンセンサスが理事会内で概ね得られていると述べ、ユーロ高をけん制しました。

ECBは、ユーロ高を考慮し、ユーロ圏のインフレ率見通しを下方修正しました。2017年のインフレ率見通しは1.5%で据え置かれましたが、18年の見通しは1.3%と、6月時点の1.4%から引き下げられました。

一方で、ECBはユーロ圏経済の底堅さには確信を持っているのかもしれません。ECBは、ユーロ圏の2017年の成長率を2.2%と、6月時点の1.9%から大きく上方修正しました。ドラギ総裁は、今後の金融政策の見通しについて「決定の多くは大方10月になされる」と述べ、次回会合(10月26日)でQE(量的緩和)縮小の開始を決定する可能性を示唆しました。

インフレ率見通しの引き下げやユーロ高けん制がある中で、7日のユーロは上昇しましたが、今後ユーロ高けん制が強まるようであれば、一時的に調整する可能性はありそうです。ただし、堅調なユーロ圏経済を背景にECBがテーパリング(金融緩和の段階的縮小)に向かう中では、ユーロの強い地合いが継続しそうです。

(アナリスト 根岸慎太郎)

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