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2017/07/13 09:03イエレン議長は利上げを急がない方針か。BOCは7年ぶりの利上げを実施

(欧米市場レビュー)

12日の外国為替市場では、米ドル/円が一時112.93円まで下落。イエレンFRB議長は議会証言で、バランスシート縮小の年内開始を示唆しました。一方で、物価動向を注視するとも発言。利上げを急がない姿勢を示したことで、米長期金利が一時2.29%まで低下したことが米ドル/円の下落材料となりました。米ベージュブックが公表されましたが、市場の反応は限定的でした。

(※)イエレン議長の議会証言やベージュブックに関して、詳しくは本日の「スポットコメント」をご参照ください

加ドル/円は値動きの荒い展開に。米ドル/円の下落の影響もあり一時87.42円まで下落しましたが、BOC(カナダ中銀)が7年ぶりの利上げを実施すると加ドルは上昇。加ドル/円は2015年12月以来となる89円台まで上昇しました。

南アランドは堅調。南アフリカのラマポーザ副大統領が、実業界による政府への不適切な影響に関する司法調査を即時開始するよう呼びかけたことが好感されました。

(本日の相場見通し)

イエレンFRB議長は12日、米下院(金融サービス委員会)でバランスシート縮小の「年内開始」を見込んでいると説明しました。一方で、「経済見通しには、常に相当な不確実性が伴う」とし、例としてインフレ率の低さを指摘しました。

イエレン議長は「FOMCは向こう数カ月、物価動向を注視していく」、政策金利に関しては、「今後はそれほど大きく引き上げる必要はない」と述べました。

イエレン議長の議会証言後に米長期金利は低下し、米ドルも軟調となりました。もっとも、バランスシートの縮小は本来、金利上昇要因となり得ます。また、イエレン議長はインフレ率の鈍化は「一時的な要因によるもの」との従来通りの見解を示しています。物価動向次第で米ドルが上昇する展開もありそうです。

BOC(カナダ中銀)は、「最近のデータは、潜在力を上回る経済成長の継続に関して自信を深めるもの」とし、政策金利を0.50%から0.75%へ7年ぶりに引き上げました。BOCは、足元のインフレ率の弱さに関して「一時的なもの」とし、インフレ率は2018年半ばにBOCの目標である2%に達するとの見通しを示しました。

また、ポロズ総裁は、「需給ギャップ(※)は2017年末前後に解消される」とし、4月の金融政策報告で示された時期より早期に需給ギャップの解消が達成されるとの見解を示しました。

(※)一国の経済全体の総需要と供給力の差のこと。需給ギャップは、供給より需要のほうが多いとプラス(インフレギャップ)になり、物価が上がる原因となる。

将来の追加利上げに関しては「今後のデータ次第」としましたが、12日時点のOIS(翌日物金利スワップ)による今後の利上げ確率は10月が63.6%と11日の44.2%から上昇しました。経済データに加え、原油価格の動向にも左右される場面はありそうですが、加ドルは底堅く推移する展開となりそうです。

(アナリスト 根岸慎太郎)

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