2016/10/10 09:15本日午前10時より注目の第2回TV討論会!ドル/円の注目ポイントは102.43円?
[欧米市場レビュー]
7日に発表された米9月雇用統計では、失業率が5.0%(事前予想:4.9%)、非農業部門雇用者数変化が15万6000人(同:17万2000人)となり、いずれも事前予想を下回る結果となり、ドル/円は102.86円まで下落し、クロス円通貨も軒並み下落基調となりました。
豪ドル/円は77.96円まで、NZドル/円は73.48円まで、またカナダ/円、南アランド/円もそれぞれ77.40円、7.41円まで下落しました。
一方で、今回の米雇用統計の結果は米経済の拡大基調を覆すものではなかったこと、またイエレンFRB議長が先に示した「(人口増加に伴う労働力の伸びを吸収するには)新規雇用は月10万人未満でもよい」との見方がある中、今年に入ってからの新規雇用の月平均は18万人程度と高い水準をキープしているという事実については括目が必要。
また、9月失業率の悪化は仕事に復帰しようとしている国民が増加していることが主因であって、雇用市場には依然スラック(=ゆるみ)が残っていることを示唆しているとの見方も。
FEDウォッチによる11月利上げ確率は8.3%(前回:14.5%)と低下する一方で、12月利上げ確率は60.0%(前回:55.1%)とやや上昇する中、次の視線は月末(28日)に予定されている米第3四半期GDP速報値に向かうことになりそうです。
[本日の相場見通し]
本日の注目は、日本時間午前10時から開始される、第2回大統領候補TV討論会の内容。
米中西部ミズーリ州セントルイスで開かれ、内容は市民集会(タウンミーティング)形式で行われます。米ギャラップ社が「まだ候補者を決めかねている有権者」を選出し、1人につき2分以内の質問を行い、計90分の間で両候補(民主党:クリントン氏、共和党:トランプ氏)が回答するという形となります。(※前回開催された2012年の同討論会では、有権者が11問、司会者が10問の質問が為されました。)
今回は、何といっても共和党・トランプ氏による先の女性蔑視発言に対する有権者や司会者からの激しい糾弾が予想されています。
トランプ氏がかつて出演した番組内での「オフレコ」発言が問題となっており、強気を通すさすがのトランプ氏も今回ばかりはかなりの劣勢となることが予想されています。
「最大の危機」と言われているトランプ氏ですが、仮に捨て身の作戦でクリントン候補に関するスキャンダルを暴露する可能性もなくはなく、第1回目の討論会以上の中傷合戦になる可能性も。
ドル/円相場は、先週7日の雇用統計結果を受けて21日ボリンジャーバンドの+2σラインで上値抵抗にあう形となっていますが、本日の“捨て身”のトランプ氏の攻撃に伴う「トランプ・リスク」が再燃した場合は、さらに下押しの可能性もなきにしもあらず。
ただし、本日の株式市場は東京市場が体育の日、またNY市場がコロンブスデーでいずれも休場のため、市場参加者が限定された中での保ち合い(もちあい)相場が予想されます。
引き続きドル/円の注目ポイントは75日移動平均線(≒102.43円)を終値レベルでキープできるか否か。本日のTV討論の内容とともに要注目です。
(チーフアナリスト 津田隆光)
------------------------------------
※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
バックナンバー
- 2019.02.19 08:33 更新ユーロは独ZEW景況感調査に反応する可能性も!?【ポイント】・市場はドイツ経済の先行きを懸念。ユーロの上値を抑える要因に・ZEW景況感調査が市場予想を下回れば、ユーロが下落する可能性あり・米中通商協議に関する…
- 2019.02.18 08:47 更新米中通商協議は今週も継続!? 米国休日で流動性の低下に要注意【ポイント】・米中通商協議は合意には至らず。今週、ワシントンで再開予定・本日18日は米国が休日。流動性が低下するため、相場変動が増幅される可能性あり(欧米市場レ…
- 2019.02.15 08:52 更新米小売売上高が予想外に減少し、米ドルが下落。本日も米経済指標が材料に!?【ポイント】・米小売売上高は9年3カ月ぶりの大幅なマイナス・本日15日は、米NY連銀製造業景気指数、1月鉱工業生産、2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表…
- 2019.02.14 08:27 更新本日14日、ドイツGDP発表。ユーロの動向に影響!?【ポイント】・ 国営電力会社をめぐる懸念で南アフリカランドが13日に下落・ドイツ経済は2四半期連続のマイナス成長を回避できるか・米小売売上高や生産者物価指数に米…
- 2019.02.13 08:19 更新米中通商協議、米欧経済指標、RBNZ政策金利に注目【ポイント】・米中通商協議の行方・米CPIやユーロ圏鉱工業生産にも注目・NZドルはRBNZ(NZ中銀)政策金利発表に反応しそう(欧米市場レビュー)12日欧米時間…
「市場調査部エクスプレス Todays'Flash!」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。
そのほかのマーケット情報
- 今週はこう動く! マーケット羅針盤 【2019.02.18 更新】今週の注目通貨(米ドル/円)
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを見る) 【2019.02.16 更新】マーケット: 来週の外為相場、米ドル方向探る
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカを知る) 【2019.02.16 更新】米中協議は進展、それとも不調?
- 日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる) 【2019.02.16 更新】トランプ非常事態宣言、次に起こること
- 週刊2分でわかる豪・NZ 【2019.02.14 更新】NZドルと豪ドル、微妙な違いが相場に反映
- 週刊2分でわかるトルコ 【2019.02.18 更新】トルコリラ相場は適正か
- 市場調査部エクスプレス スポットコメント 【2019.02.19 08:08 更新】騙されない投資家~第27回「米政府シャットダウンの何が問題か」
- 市場調査部エクスプレス 注目のチャート 【2019.02.19 08:32 更新】ユーロ/円、喫緊の重要ポイントは?
- FXニュース 最新のFXニュースヘッドラインを提供しております。
- FXチャート リアルタイムのFXチャートをご覧いただけます。
- 経済カレンダー 市場に影響を与える可能性がある各種経済イベントをカレンダーで提供しております。
- 政策金利データ 主要各国の政策金利表を提供しております。
- ヒストリカルデータ 日足・週足・月足の4本値データをダウンロード提供しております。
- 主要指標 LDN-NY関連・アジア・オセアニア関連の指標を提供しております。
- みんなのリピート 各通貨ペアのリピート注文発注状況および成立状況をご覧いただけます。