2016/08/01 15:45【オセアニア・レポート】「利下げ」か「据え置き」か!? RBAが2日に政策金利を発表
[レビュー]
1日東京時間の外国為替市場では、円が弱含み。一時、ドル/円は102.68円、豪ドル/円は78.16円、NZドル/円は74.15円へと上昇しました。日経平均の反発や、中国の7月財新製造業PMI(購買担当者景気指数)が50.6と、市場予想の48.8を上回ったことが、円売りの支援材料となりました。
日経平均の終値は、前営業日比66.50円高の16,635.77円でした。一時、下げ幅を250円へと拡大したものの、次第に値を戻す展開となり、結局、前営業日比プラスで取引を終えました。
米NY連銀のダドリー総裁は、「2016年末までの利上げを排除するのは時期尚早」との見解を示しましたが、為替市場に大きな反応はみられませんでした。
[これからの展開]
明日2日13時30分(日本時間)、RBA(豪準備銀行)が政策金利を発表します。
市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)では、RBAが2日に利下げを行う確率が69.0%、据え置く確率が31.0%織り込まれています(7月29日時点)。市場の期待に反して、政策金利が据え置かれた場合、豪ドルが上昇するとみられますが、その反応は大きくなる可能性があります。
4-6月期のインフレ統計は、CPI(消費者物価指数)が前年比+1.0%と、1-3月期の+1.1%から一段と鈍化し、1999年以来、17年ぶりの低い伸び。RBAがCPIとともに重視するとされる基調インフレ率(トリム平均と加重中央値の平均値)は同+1.5%と、1-3月期(+1.5%)と同じでした。CPIと基調インフレ率は、いずれもRBAのインフレ目標(+2から+3%)を下回りました。
RBAの今年5月の利下げは、1-3月期のインフレ率が予想外に低かったことが主な理由だったため、4-6月期のCPI上昇率が一段と鈍化したことで、RBAが2日の会合で、追加利下げに踏み切る可能性はあります。
ただし、基調インフレ率の上昇率は依然として低水準であるものの、1-3月期から鈍化しませんでした。また、RBAは5月の金融政策報告の中で、4-6月期のCPIを+1.0%、基調インフレ率を+1.5%との見通しを示していました。今回のインフレ統計の結果は、RBAの見通し通りとも言えそうです。
RBAが利下げを急ぐ必要性は低いと考えられます。2日の会合では、政策金利を据え置くかもしれません。
(アナリスト 八代和也)
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1日東京時間の外国為替市場では、円が弱含み。一時、ドル/円は102.68円、豪ドル/円は78.16円、NZドル/円は74.15円へと上昇しました。日経平均の反発や、中国の7月財新製造業PMI(購買担当者景気指数)が50.6と、市場予想の48.8を上回ったことが、円売りの支援材料となりました。
日経平均の終値は、前営業日比66.50円高の16,635.77円でした。一時、下げ幅を250円へと拡大したものの、次第に値を戻す展開となり、結局、前営業日比プラスで取引を終えました。
米NY連銀のダドリー総裁は、「2016年末までの利上げを排除するのは時期尚早」との見解を示しましたが、為替市場に大きな反応はみられませんでした。
[これからの展開]
明日2日13時30分(日本時間)、RBA(豪準備銀行)が政策金利を発表します。
市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)では、RBAが2日に利下げを行う確率が69.0%、据え置く確率が31.0%織り込まれています(7月29日時点)。市場の期待に反して、政策金利が据え置かれた場合、豪ドルが上昇するとみられますが、その反応は大きくなる可能性があります。
4-6月期のインフレ統計は、CPI(消費者物価指数)が前年比+1.0%と、1-3月期の+1.1%から一段と鈍化し、1999年以来、17年ぶりの低い伸び。RBAがCPIとともに重視するとされる基調インフレ率(トリム平均と加重中央値の平均値)は同+1.5%と、1-3月期(+1.5%)と同じでした。CPIと基調インフレ率は、いずれもRBAのインフレ目標(+2から+3%)を下回りました。
RBAの今年5月の利下げは、1-3月期のインフレ率が予想外に低かったことが主な理由だったため、4-6月期のCPI上昇率が一段と鈍化したことで、RBAが2日の会合で、追加利下げに踏み切る可能性はあります。
ただし、基調インフレ率の上昇率は依然として低水準であるものの、1-3月期から鈍化しませんでした。また、RBAは5月の金融政策報告の中で、4-6月期のCPIを+1.0%、基調インフレ率を+1.5%との見通しを示していました。今回のインフレ統計の結果は、RBAの見通し通りとも言えそうです。
RBAが利下げを急ぐ必要性は低いと考えられます。2日の会合では、政策金利を据え置くかもしれません。
(アナリスト 八代和也)
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※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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