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2016/07/21 16:39【オセアニア・レポート】RBNZが8月の利下げを強く示唆、NZドルは全面安

[レビュー]

21日東京時間の外国為替市場では、NZドルが下落。一時、NZドル/円は74.51円、NZドル/米ドルは0.6950米ドルへと値を下げました。RBNZ(NZ準備銀行)の経済見通しを受けて、次回8月11日の政策会合での追加利下げ観測が一段と高まりました。

円も軟調。一時、ドル/円は107.49円へと上昇し、クロス円もNZドル/円を除いて総じて上昇しました。日本政府が経済対策の事業規模を20兆円超にする方向で調整していると報じられたことが、円売り材料となりました。


[これからの展開]

RBNZは本日(21日)、経済見通しを公表しました。

経済見通しでは、世界経済について「成長の見通しは、極めて刺激的な金融政策や原油安にもかかわらず、弱まった。かなりの下振れリスクが残る」と指摘。

国内経済の成長は、流入する移民の増加、建設活動、観光業、緩和的な金融政策によって、引き続き支えられると予想する一方、「低水準の乳製品価格が乳業の収入を低下させており、農業従事者の消費や投資を圧迫している」との見解が示されました。

NZドルについては、「貿易加重ベースのNZドルは、6月の金融政策報告の想定よりも6%高い」と指摘。「NZドル高が乳業や製造業にさらなる圧力を加えており、世界的な低インフレとともに、貿易財のインフレ率を抑制している」としたうえで、「NZドル高はインフレ目標の達成を難しくする。NZドルの下落が必要」と強調しました。

インフレについては、「CPI(消費者物価)の総合指数は目標レンジを下回る状態が続いている」「長期インフレ期待は2%でしっかりと固定されているが、短期インフレ期待は依然として低い」と指摘。「生産余力の減少からくる物価上昇圧力の高まりや最近の燃料価格の上昇にもかかわらず、NZドル高はインフレ見通しが6月の金融政策報告以降、弱まっていることを示唆する」としました。

そして、声明の最後を「現時点では、将来の平均インフレ率が目標レンジの中央付近で安定するのを確実にするため、一段の金融緩和(=利下げ)が必要になる可能性が高いとみられる。我々は引き続き今後の経済指標を注視する」と締めくくりました。

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RBNZは、今回の経済見通しで追加利下げの可能性を示唆しました。また、目立ったのは、NZドル高に繰り返し言及したことです。

貿易加重ベースのNZドルは、足もと76前後で推移しています。78近くに達していた今月初めに比べれば低下したものの、RBNZの6月の金融政策報告における予想(7-9月期に71.6)を上回っています。

7月18日に発表されたNZの4-6月期CPIは前年比+0.4%と、RBNZのインフレ目標(+1~3%)を下回りました。CPIは2014年10-12月期以降、目標下限の+1%を下回り続けています。

翌7月19日には、RBNZが住宅価格の高騰を抑制するために住宅ローン規制を強化する措置を発表しました。

そして、本日の経済見通しにおける踏まえると、RBNZは次回8月11日の政策会合で追加利下げに踏み切る可能性が高いとみられます。追加利下げ観測は、NZドルの弱気材料になりそうです。

貿易加重ベースのNZドル

(出所:RBNZ資料より作成)

(アナリスト 八代和也)

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