市場調査部エクスプレス Today's Flash!

2016/07/07 16:30【オセアニア・レポート】S&Pが豪州の格付け見通しを引き下げ。RBNZ副総裁の発言を受けてNZドルが上昇

[レビュー]

7日東京時間の外国為替市場では、S&P(スタンダード&プアーズ)の発表を受けて、豪ドルが一時下落。豪ドル/円は75.24円、豪ドル/米ドルは0.7466米ドルへと下落する場面がありました。S&Pは、豪州のソブリン格付けの見通しを「安定的」から将来的な引き下げの可能性を示す「ネガティブ」に変更しました。

一方、NZドルは上昇。NZドル/米ドルは0.72米ドル近辺へと上昇しました。RBNZ(NZ準備銀行)のスペンサー副総裁が、NZの住宅市場の不均衡拡大に懸念を示し、「一段の利下げは、金融安定へのリスクをもたらす可能性がある」と発言。これを受けて、RBNZの追加利下げ観測が後退し、NZドルの支援材料となりました。

ただし、スペンサー副総裁は「CPI(消費者物価指数)見通しが最終的に金融政策を決定する」とも述べました。NZのCPI上昇率は2014年10-12月期以降、RBNZのインフレ目標(+1〜3%)を下回る状態が続いています。1-3月期は前年比+0.4%でした。4-6月期のCPIは、7月18日に発表されます。

日銀の黒田総裁は、「物価の基調は着実に高まり、2%に向けて上昇率を高めていく」との見方を示す一方、「物価安定目標の実現に必要な場合には、“量・質・金利”の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる」と改めて表明しました。


[これからの展開]

S&Pは本日(7日)、豪州のソブリン格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げました。

S&Pは、「より強力な財政措置が導入されなければ、(豪州の)財政赤字は今後数年間継続し、ほとんど改善が見込めない」と指摘。「財政赤字の継続は豪州の高水準の対外債務と相いれず、“AAA(最上級)”の格付けと矛盾する可能性がある」としました。

S&P、ムーディーズ、フィッチの3大格付け会社は、いずれも豪州に対し最上級の格付けを付与(S&Pとフィッチは「AAA」、ムーディーズは「Aaa」)。ムーディーズとフィッチは、格付け見通しを「安定的」としています。

S&Pが豪州の格付け見通しを引き下げたことは、豪ドルにとってマイナス材料です。豪ドルは上値が重くなる可能性があります。ただ、市場の関心は現在、欧米の動向に向きがちで、明日8日には米国の6月雇用統計が発表されます。そのため、格付け見通しの引き下げを材料にした豪ドル売りは、長続きしないかもしれません。

(アナリスト 八代和也)

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

  • 2018.12.19 08:21 更新米FOMCに注目!!【ポイント】・米WTI先物が約1年4カ月ぶりの安値。カナダドルへの下落圧力に・FOMC(米連邦公開市場委員会)は0.25%の利上げを決めるとの見方が有力・FOM…
  • 2018.12.18 08:29 更新NYダウが大幅安。原油価格が1年2カ月ぶりの安値【ポイント】・米景気の先行き懸念から米国株には下落圧力・主要国株価が下落すれば、円高圧力が加わる可能性あり・原油安は資源国通貨にとってマイナス材料(欧米市場レビ…
  • 2018.12.17 08:28 更新今週は、米FOMCの結果や欧州の政治情勢に要注目!【ポイント】・19日の米FOMCでは、参加者の政策金利見通しやパウエル議長の会見が重要か・同じ19日に欧州では、欧州委員会による「合意なきブレグジット」に関する…
  • 2018.12.14 08:25 更新EUサミットの結果が英ポンドやユーロの相場材料に!?【ポイント】・EUサミットで、ブレグジット協定案に関して英国議会が受け入れ易い提案がなされるか・欧州委員会が、財政赤字見通しを下方修正したイタリア予算案を承認す…
  • 2018.12.13 08:23 更新本日13日、ECBとトルコ中銀が政策金利を発表!!【ポイント】・メイ英首相(保守党党首)の続投が決定。ただ、ブレグジットをめぐる不透明感は残存・ドラギ総裁は、ECB (欧州中銀)の金融政策の先行きについて新たな…

「市場調査部エクスプレス Todays'Flash!」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ