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2016/06/28 09:50引き続きポンド安圧力や円高圧力が加わりやすい地合いか

[欧米市場レビュー]

27日の欧米時間の為替市場では、ポンドが下落。ポンド/円は一時133.33円へと下落し、ポンド/ドルは31年ぶりの安値をつけました。24日の英国民投票でEU(欧州連合)離脱票が過半数を獲得したことが、引き続きポンドの下落圧力となりました。格付け会社のS&P(スタンダード&プアーズ)が英国債の格付けを引き下げたことも重石。S&Pは27日、英国債の格付けを最上級の「AAA」から「AA」に2段階引き下げました。格付け見通しについては、「ネガティブ(引き下げ方向)」を維持しました。

ユーロも軟調。一時、ユーロ/円は111.36円、ユーロ/ドルは1.0969ドルへと下落しました。EU離脱の連鎖が広がることへの懸念が、ユーロの下押し圧力となりました。

キャメロン英首相は議会で、「EU離脱決定に疑問の余地がないことは明白で、結果は受け入れられるべきとの見解で内閣は一致した」と発言。一方で、「英政府は現時点でリスボン条約(EU基本条約)50条の発動は行なわない。これは国家の決定であり、英国のみが判断することだ」と述べました。ドイツ・フランス・イタリアなどEU6か国の外相は25日、ベルリンで緊急会合を開催。英国に対し、早期の離脱交渉開始を求めることで合意しました。


[本日の相場見通し]

格付け会社による英国債の格下げが相次いでいます。ムーディーズは24日、英国債の格付けを「Aa1」に据え置いたものの、見通しを「安定的」から「ネガティブ(引き下げ方向)」に引き下げ。27日には、S&Pが格付けを「AAA」から「AA」に2段階、フィッチは「AA+」から「AA」に1段階、それぞれ引き下げました。S&Pとフィッチともに格付け見通しは「ネガティブ」としました。

英国民投票以降、ポンドには下落圧力が加わっています。英国債の格下げ(見通し引き下げ)により、ポンドは上値がますます重くなる可能性があります。

また、欧州の先行き不透明感を背景に、市場はリスク回避に傾きやすいとみられます。円高圧力も加わりやすいとみられます。ドル/円やクロス円は上値が重い展開になりそうです。

為替市場は乱高下する可能性があり、引き続き注意が必要です。

本日と明日(28-29日)の2日間、ブリュッセルでEU首脳会議が開かれます。リスボン条約50条の規定では、EU離脱の手続きは、離脱を決めた加盟国が欧州理事会にその意思を通知しないと始めることができません。キャメロン英首相は、離脱交渉は新しい首相が始めるべきとの見解を示しているため、英国は今回の首脳会議ではEU離脱の通知を行わないとみられています。

(アナリスト 八代和也)

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