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2016/05/24 15:37【オセアニア・レポート】RBA総裁の発言で豪ドル下落

[レビュー]

24日東京時間の外国為替市場では、豪ドルが下落。一時、豪ドル/米ドルは0.7183米ドル、豪ドル/円は78.50円へと下落しました。RBA(豪準備銀行)のスティーブンス総裁が講演で、インフレ率の低さを指摘したことが、豪ドルの下押し圧力となりました。

麻生財務相は為替市場について、「2日で(ドル/円が)5円も上下するのは一方的で偏った動き」「為替相場をさらに引き下げようとする意図はない」と発言。

米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、「悪い経済指標が出なければ、6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げは適切」と述べました。ハーカー総裁は今年のFOMCで投票権を持っていませんが、議論には参加します。

麻生財務相やハーカー総裁の発言に、為替市場では大きな反応はみられませんでした。


[これからの展開]

RBAのスティーブンス総裁はシドニーでの講演で、「インフレ率は本当にやや低すぎる」と指摘しました。

豪州の1-3月期CPIは前年比+1.3%と、10-12月期の+1.7%から上昇率が鈍化。また、RBAがCPI(消費者物価指数)とともに重視するとされる基調インフレ率(トリム平均と加重中央値の平均値)は前年比+1.55%と、10-12月期の+2.00%から大幅に鈍化、1983年の統計開始以来最低となりました。

RBAはインフレ目標を採用し、前年比のCPIを中期的に+2〜3%の範囲に収まるように金融政策運営を行います。そのため、目標を下回るインフレ率はRBAへの利下げ圧力となります。

RBAは5月3日の会合で、インフレ圧力が予想以上に弱いことを理由に、0.25%の利下げを決定。政策金利を過去最低の1.75%へ引き下げました。

その時の声明では、今後の金融政策について特に言及されませんでしたが、スティーブンス総裁がインフレ率の低さを指摘したことで、追加利下げの可能性が残っていることが改めて示されたと言えそうです。

一方で、17日に公表された議事録では、5月の会合で政策金利を据え置くことも検討されたことが判明。また、スティーブンス総裁は本日の講演で、インフレ目標の枠組みは柔軟であり、「インフレ率が目標レンジを外れたとしても、条件反射的な対応を求められるものではない」との認識を示しました。

そう考えると、RBAが次回6月7日の会合で追加利下げを決定する可能性は低いとみられます。ただ、追加利下げ観測がある以上、豪ドルには下押し圧力が加わりやすい状況が続く可能性があります。

現在の豪ドルについて、スティーブンス総裁は「想定通りの動き」と述べました。

(アナリスト 八代和也)

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