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2016/05/23 16:50【オセアニア・レポート】大統領側近がトルコ新首相に就任へ、経済担当副首相人事に注目

[レビュー]

23日東京時間の外国為替市場では、円が堅調に推移。ドル/円は一時、109円台半ばへと下落、クロス円も総じて値を下げました。軟調な日経平均が、円買いの材料となりました。

日経平均の終値は、前営業日比81.75円安の16,654.60円。下げ幅は一時318円まで拡大したものの、その後は堅調なアジア株を背景に縮小しました。

日銀の中曽副総裁は都内の講演で、「マイナス金利で金融仲介機能を損ねる懸念はない」、「マイナス金利は一般国民に分かりにくい面があるため、批判や痛みに耳を傾ける」、「為替の過度の変動や無秩序な動きは経済・金融に悪影響。経済・金融のファンダメンタルズを反映し、安定して動くべき」などと述べましたが、為替市場に大きな反応はみられませんでした。


[これからの展開]

トルコの与党AKP(公正発展党)は22日(日)、臨時党大会を開催。ダウトオール党首(=首相)の後任に、ユルドゥルム運輸海事通信相を選出しました。

ユルドゥルム氏は、エルドアン大統領がイスタンブール市長を務めていた1990年代からの盟友で、側近中の側近。エルドアン大統領の意向に沿った政権運営を行うと予想されます。


エルドアン大統領は自らの権限を強化するため、憲法を改正し、現在の議院内閣制から大統領制への移行を目指しています。

ユルドゥルム氏は党大会で、「政府の最重要課題は憲法改正だ」と発言。大統領権限強化を進めていく方針を明確にしました。市場は、憲法改正によってエルドアン大統領が独裁色を一段と強めることを懸念しています。

現地メディアは、ユルドゥルム氏が23日にも新首相に就任し、新内閣が発足するとの見方を示しています。

閣僚人事では、経済担当のシムシェキ副首相が留任するのかどうかに市場は注目しています。

TCMB(トルコ中銀)はエルドアン大統領からの利下げ圧力にさらされていますが、シムシェキ副首相は中銀の独立性を訴えるなど、大統領の利下げ圧力を和らげる役割を果たしてきたとみられ、市場からの信認が厚い人物です。シムシェキ副首相が留任すれば、トルコリラにとってプラス材料となりそうです。

ただ、一部にエルドアン大統領の娘婿であるアルバイラク・エネルギー相が経済担当の副首相に就任するとの観測があります。仮にその通り、あるいはエルドアン大統領の意向を反映しやすいとみられる人物が就任すれば、TCMBの独立性への懸念が強まる可能性があります。その場合、トルコリラに下押し圧力が加わりそうです。

(アナリスト 八代和也)

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