2分でわかるアメリカ

2011/05/27ギリシャがデフォルトになったら


ギリシャの債務問題の関連情報を連日お伝えしていますが、最近アメリカでは「ギリシャの債務再編、もしくはデフォルトは避けられない」との見方が優勢です。

英語で「デフォルト」とは、「何もしないこと」を意味します。可能性が指摘されているギリシャの場合は「国債を発行して借りたお金を返さない」ことを示します。

それでは、ギリシャにはいくらぐらい借金があるのか。大雑把に言いますと2700億ユーロ、日本円にして約31兆円です。この内1000億ユーロ相当のギリシャ債は、銀行、主にヨーロッパの銀行が保有しています。そして残り1700億ユーロ相当のギリシャ債は、保険会社や年金基金などの機関投資家と各国の中央銀行が保有しています。

世界規模の金融危機を招いたアメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破たんでは、機関投資家が保有していた金融関連商品の相当分が引当金を計上していました。別の言い方では、破たんした際のクッションがあったのです。一方、「ギリシャ国債にはそのクッションがなく影響はリーマン・ショックより深刻になるとCNBCは指摘しています。

つまり、ギリシャがデフォルトに陥った場合、ギリシャ債の価値はゼロになり銀行などの損失が拡大します。ヨーロッパの銀行は資本不足に陥り、パニックになる可能性が高いとみられます。ムーディーズの格付け責任者はロイターのインタビューで「ギリシャのデフォルトはポルトガルとアイルランドの債券をジャンク債(投資不適格債券)に押し下げるだろう」と語っていて、デフォルトの連鎖を警告しています。

ギリシャ債10年債利回りは17%前後。利回りは、借金の金利ですので、ギリシャ政府は消費者金融並みの金利を払わないと資金が調達できない状況が続いています。ブルームバーグが2週間前に実施した投資家へのアンケート調査では、85%の人がギリシャのデフォルトを予想しています。いま再調査すると、その数がさらに増えているとみられます。  

ところで、日本の債務残高はまもなく1000兆円に達します。ギリシャの約30倍です。「ギリシャ国債の80%は外国が保有、日本国債は95%を日本人が持っているから大丈夫」という説明をよく聞きますが、大丈夫ではないですよね。

[May 26, 2011] No 010423

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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