2分でわかるアメリカ

2011/05/14ファンドマネージャーを震撼させた判決


今週月曜日にニューヨークの裁判所で、大手ヘッジファンド・ガレオンの共同創設者でスリランカ出身の大富豪ラジ・ラジャラトナム氏に、インサイダー取引や証券詐欺など14の罪で全て有罪の判決が出されました。

判決は、ヘッジファンドのファンドマネージャーを震撼させ、株式投資を控える動きが強まっています。判決が出た月曜日以降、ニューヨーク株式市場の売買高が去年と比べ大幅に減少していることが、これを示しています。ステフェル・ニコラウスというファンドの幹部は、CNBCに対し「流動性を出していた主要なプレイヤーがマーケットから退場するだろう」と語っています。  

今回有罪とされた点の多くは、「グレイ」とされていた領域でした。エキスパート・ネットワークスと呼ばれる各分野の専門家集団からもたらされた情報を高額で購入、その情報を基にファンドマネージャーが株式を売買、巨額の利益を上げてきたのですが、それが「クロ」とされたのです。

例えば、ある製薬会社が新薬の承認を申請したとします。エキスパート・ネットワークスの医薬品業界出身者が複数の医師に新薬が承認されるかどうか聞き取り調査をし、その結果についてレポートを書きます。調査を受けた医師が新薬を申請した会社と関係がなくても「グレイ」になる可能性があるとCNBCが伝えています。

ラジャラトナム氏が有罪とされた取引は、インテルをはじめ多くの企業の株式の取引が含まれていました。特にハイテク医薬品そして小売の銘柄が目立ちました。取引は、エキスパート・ネットワークスによる専門的見解または対象企業の従業員から得た内部情報を基にしたものと判断されました。

「グレイ」が多いとされる日本と違って、アメリカはシロクロをはっきりさせる文化があります。今回の判決で、「グレイ」は「クロ」とされ、その結果、ヘッジファンドによる投資が、株式から他の市場に大きくシフトする可能性が出てきました。

[May 13, 2011] No 010414

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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