2分でわかるアメリカ

2011/05/052つのキーワードを持つ中国企業


中国版フェイスブックと呼ばれるレンレンがニューヨーク証券取引所に3日上場しました。公募価格は予想の上限に設定され、初日の取引は公募価格の40%近く高い株価で推移、投資家の関心の高さを示しました。

90年代後半にかけてのドットコム・ブームでは、会社名にドットコムがつけば、利益が出てようが、経営者が誰であろうが、理論的には説明がつかない株価がつきました。あれから10年以上が経ち、状況は一変しました。いまのキーワードは2つ。「中国ソーシャル・ネットワーク」です。

中国版グーグルと呼ばれるバイドゥ・ドットコムは、アメリカで株式を公開してから株価が3ケタ増。中国版ユーチューブのヨウク・ドットコムも高い時価総額を維持しています。去年から多数の中国企業がアメリカで株式公開しましたが、中国のドットコム企業の株価の上昇は飛び抜けています。

アメリカ企業の中で最も株式公開が待たれているのがフェイスブックです。ハリウッド映画にもなったザッカーバーグCEOは「時代の寵児」とも呼べるほど、注目されています。業績も予想を上回るペースで伸びていて、未公開ながら現在の時価総額は700億ドル(約5兆7000億円)と推定されています

きょう上場したレンレンは、世界経済のエンジンとも言われる「中国」と「ソーシャル・ネットワーク」の2つの要素を兼ね備えているため、ウォール街の注目度が高いのです。  

しかし、リスクも高いと見られています。修正された株式公開に伴う目論見書によりますと、月間ユーザーはわずか500万人しかいません。中国政府の影響が強いことも心配の種。「中東での民主化運動レンレンの中では語られません。さらに、プラットフォームなどがフェイスブックそっくりであるため、訴訟リスクもあると指摘されています。

レンレンの高い株価が正当化されるかどうかは、中国もしくは中国企業の情報開示が進むかどうか、そして期待通り成長するかどうかが鍵と言えます。ところで、中国だけではなく、韓国企業も去年頃からアメリカで株式公開する企業が急増しています。その一方で、日本のベンチャーがアメリカで資金調達を目指しているという話は聞きません。日本だけが、取り残されそうで心配です。

[May 04, 2011] No 010407

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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