2分でわかるアメリカ

2011/04/21米シーフード業界の二重苦


石油大手BPのメキシコ湾にある海底油田の事故からきょうで丸一年。海に流出した原油が海洋資源に深刻な影響を与えましたが、ルイジアナやテキサス、フロリダの漁師は、依然として本格的な漁が出来ない状態が続いています。

アメリカの食卓に並ぶオイスターの約20%は、ルイジアナ産です。去年一年間はルイジアナでのオイスターの養殖は出来ませんでした。ルイジアナのシーフード・レストランのメニューからオイスター料理が消えたそうです。オイスターの子どもが原油で犠牲になり、今年の養殖も絶望的です。  

エビ漁のシーズンがこれから始まりますが、メキシコ湾岸で安全なエビが捕獲できるかどうか、誰もわかりません。

寿司を食べて大丈夫か

東日本大震災の後、僕はアメリカ人から同じ質問を何度も受けました。健康志向もあってロサンゼルスには、寿司屋や日本食レストランが多くあるのですが、福島第一原発で放出された放射能に寿司ネタが汚染されていないか、アメリカ人は心配で堪らないのです。つまり、風評被害が広がっているのです。

日本からのシーフードの輸入は、原発事故以降に急減。一部の日本人が経営する寿司屋は、放射性物質が検出されていない九州産の寿司ネタしか輸入していないのですが、影響は免れません。メディアは福島第一原発の事故を詳しく報じているので情報不足が理由ではなく、アメリカ人からみれば「東北も九州も同じ日本」なのです。

知り合いの寿司屋のオーナーに聞くと、やはり売り上げが大幅に減っているそうです。

メキシコ湾からも魚介類が入ってこないため、寿司屋やシーフード・レストランは、食材をアメリカ東海岸やカナダ、そしてヨーロッパ産に切り替えましたが、客足は戻ってきません。

原油流出と原発事故の二重苦のシーフード業界が、いつ立ち直れるかまったく目途が立っていません。

[April 20, 2011] No 010397

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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